無農薬有機野菜と平飼い有精卵*直販の菜園「野の扉」
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たよりの箱(1)〜2002年1月から4月の「菜園たより」です



2002年4月第4週便

お菓子みたいな肥料
 今年最初のキュウリの苗を、ハウスに植えました。
 うちでは、ビニールハウスを、育苗とセットの周年出荷に最低限必要な野菜を作るためのもの、 と考えていますから、小さいのが2棟あるだけ。この時期はいつもぎりぎりのローテーションです。 昨年暮れ蒔きの大根をとり終えたら、すぐに植え付けられるように逆算して、 キュウリの種を蒔いてあります。
まず、大根や雑草の後片付けをしてから、発酵鶏糞をまいて機械で耕し、 水をたっぷりまいて準備します。キュウリの苗を植えて、そばに、ネギの小さな苗も植えます。 これは、「コンパニオン・プランツ=共生植物」といって、近くにあることで、お互いによい効果を与えるものなのです。ウリ科にはネギ、ナス科にはニラがよ いとか。病気や虫の害を軽減する効果を期待しているのですが。半分は「おまじない」です。
 それから、植えたキュウリの両側に、パラパラと、米ぬかと「オカラぼかし肥」をまいて、上から、乾燥と草除 けのための稲わらを敷きます。
 この「オカラぼかし肥」が、まるでクッキーみたいな、よい香りなのです。オカラと米ぬかとモミガラを混ぜ 合わせて、しばらくしてからまた混ぜて、と時間と手間がかかりますが、化学肥料や即効性の有機肥料と違 って、ゆっくりとやさしく野菜を育ててくれるのです。なかなか大量には作れないので、夏の果菜、ナスやト マトやキュウリなどの追肥(あとから足す肥料)に大事に使っていこうと思っています。

 娘の照手が熱を出して、挿し絵を頼めないので、ホームページ用に撮った写真を載せてみました(元は カラーです)。小松菜用のウネをトラクターで耕している夫です。 種をまいたら、右下のように、白い薄い不職布で覆います。保湿保温、虫除けのためです。

*料理メモ* <おいしいレタス> 研修生の頃、茨城県八郷町の生産者を訪ねたときに教えてもらいました。レタスをバリ バリちぎった上に、ニンニクのみじん切りを多目の油でさっと炒めて、しょう油と酒を適量加えたものを、熱い うちに回しかけていただきます。うちでは、一度に一個食べてしまいます。
<おいしいおひたし> 菜っ葉は、塩少々を入れた熱湯でゆでてから、すぐに水にとって、冷まして水切り する。ざく切りして、ボールの中でかつお節、ゴマ、ワカメかノリ適量と混ぜて、しょう油をさす。(4月22日記)
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2002年4月第2週便

ヒョウと大風
 3月30日には、ヒョウが降りました。5ミリほどの大きさで、しばらく続き、収穫期に入っ て被覆資材をはずしていた菜っ葉が、穴を空けられたことは、前の「たより」にも書きました。ほかの野菜た ちは、たいてい保温や虫除けの資材をかけてあったので、被害はなかったのですが、、、
翌々日くらいから、このヒョウをもたらした「発達した低気圧」のせいで、大風が吹きました。一日中、そして 2日続けて、というのも珍しいことです。あちこちの被覆資材が飛ばされないように補強して、唯一畑ででき る作業となった「刈り払い」(エンジン付の回転歯で草を刈り取る、肩掛け式の機械を使う)を風によろけなが らやっていました。ビニールハウスの中で、育苗の作業をしていても、ハウスが壊れそうなほど揺れました。
 この風で、植えたばかりのブロッコリーとカリフラワーが痛めつけられてずいぶん枯死しました。それか ら、里芋の種を埋めた上に敷いた「生分解性マルチ」(ヒョウで所々穴があいていた)が破れてしまいました。 ほんとに、風にはお手上げです。
 畑にタケノコ
  3月も、観測史上1,2を争う暖かさだったとか。配達先の皆さんのお宅には、3月半ばに ツバメが訪れていたようですし、この辺の桑の木も芽吹いています。桑が芽吹いたあと霜が降りて、新芽が やられてしまうようなことは、10年か15年に一度あるかないか、ということなので、このまま遅霜もなく初夏 に突入してしまうのでしょうか。
去年開墾した「新畑」の隅に、道の向こうの竹林の「子供」が生えました。トラクターが入らなかった場所で す。たった1本、ありがたくいただきました。タケノコも早いですね。
    しばらくは、一人身でぷらぷらしていたモンシロチョウが、このごろは2,3匹で連れ立って飛んでいます。 こうなると、キャベツや大根などのアブラナ科の野菜は、卵を産み付けられて、ほうっておけば穴だらけに なってしまいます。例年は5月に入ってから、10匹くらい群れになって輪舞する蝶の姿を見るのですが、今 年は早まりそうです。何でも、10日から2週間早く季節が動いているようですね。いつもなら、逃げ切れるは ずの露地一番早いキャベツに、虫除けのネットをかけました。

*料理メモ*  <春のサラダ>
 ぼちぼち、春キャベツの登場です。春はやっぱりサラダ。キャベツだけ千切りして、「塩、コショウ、酢、 油」のシンプルなドレッシングをかけて、バリバリ食べるのもいいですが、、、
 @キャベツの細切りと一緒に、レタスのちぎったもの、人参の千切りやカブの薄切り(好みで軽く塩をし てもむ)、このあと出てくるブロッコリーやカリフラワーのゆでたもの、などを、ボールに入れて、Aまず は、油(バージンオリーブオイルがおいしい)をかけて、ひと混ぜします。Bそのあと、塩、コショウ(は好 みで)、酢、適量を加えて合えます。
「酢は酸味ではなく、香りとして用いる」というのは、料理研究家の辰巳芳子さんの言葉です。
                (4月8日記)
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2002年4月第1週便

 

ピーターじゃないラビット
「里の畑」で、出荷用のワケギを抜いて、きれいにしていた午後のことで す。隣の雑木林との境の方で、ガサゴソ音がします。目を上げると、黒っぽいかたまりが。「うん?」 野うさぎです。かなり大きくて、黒に灰色のまだらの体に、大きな耳。飼いウサギより足が長くて、筋肉質の、 小型のカンガルーみたい。「おー!」 そっとみていると、時々立ち止まりながら、畑を横切ってまた林の 中へ。
時折、残されたフンや足跡を確認したことはあったけれど、実物に近場で出会ったのは初めてでした(夫 はしばしば会っている)。そういえば、今年も林の近くの小麦の葉っぱがずい分かじられていました。うちの 畑に面した一帯は、夏場は畑にクズやシノダケが侵入しないように刈り払っているけれど、その奥は荒れ果 てていて、ウサギやキジ、コジュケイ(ウズラみたいな鳥。家族でよく移動している。かわいい!)などの小動 物が生育しているようです。
この間も、鶏小屋のある山の方で、娘と一緒に、野うさぎを遠くから目撃しました。食料の乏しい時期なの か、繁殖の時期なのか、人間のにおいのあるところまで出てくる季節のようです。畑に損害を与えるほどで はないので、ちょっとした楽しみになっています。

野菜たちの現状
 野菜たちの現状   玉ネギがなくなって、長ネギが続きます。この季節だけのワケギが、「息抜き」に入り ますが。新玉ネギは、5月に入ってからでしょうか。
芋は、新ジャガが5月の終わり頃にでるまでは、里芋だけです。
大根、人参、カブは、春ものになっています。大根、人参(まだ小さい)は、ハウスの中に11月に蒔いたも のです。カブは露地の1月蒔きのトンネル。生食がおいしいでしょうか。葉つきのものは、届いたらすぐ切り離してください。そのままでは消耗が早いので。
キャベツは、以前書いたように、この時期の主力がほとんどとれないので、ハウスの中に1月に植えたの が大きくなるのを待っています。レタスは露地のトンネルのものがぼちぼちとれ出しました。
 葉物は、小松菜、ほうれん草に続いて、春菊、ニラがもうすぐとれ出します。
毎年、この時期書いていますが、今は育てている野菜は多いけれど、とれる野菜は少ない「端境期」です。 少々さびしいセットのことがあるかもしれませんが、よろしくお願いします。          (4月1日記)

照手「これまでは、手伝いでさし絵を描いてきましたが、何とかその成果(?)が認められて、アルバイト としてやることになりました。これからも頑張って上達したいので、ヨロシクお願いします!」
PS.「ちなみに、1時間以上かかっているけど、1枚100円です。(^。^)」

泰子のPS.きのう(3月31日)夕方、この辺では「雹(ヒョウ)」が降りました。5ミリほどの大きさで、収穫期の菜っ葉が傷つきました。
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2002年3月第3週便

何でも花咲く
  「寒の戻り」もなく、乾いて暖かい日が続きます。あちこちで「花見の宴のため に待ってくれ」という声があがっていても、かまわず桜が咲き出すように、うちの畑も花盛り。2ヶ 月以上前に引っこ抜いて片付けた、畑の隅の赤カブまで、菜の花咲かせています。ネギは、去年より 半月以上早く、ボウズを出してしまうし。(スギの花粉は降り積もるし)
かわいいのは、アーモンドの花。息子の小学卒業記念樹のひとつ。桃に似た薄紅色のふっくらし た花です。今も借地、借家の私たちですが、「樹を植える」ということは、ここに根付く覚悟ができ たということでしょうか。新たに、梅や柿の苗木を加えて、畑の一つに植えました。

 牛、豚、鶏、、、表示の偽装
  雪印に始まり、大手食品会社、農協、生協などに関わる、食品産地 表示の偽装事件が、立て続けに明らかになっています。複雑な流通の中で自らを律するモラルを持ち 得ない「組織人」が、偽装を行っています。生産の場と消費の場が離れるほど、「偽物」と「本物」 の価格的な差が広がるほど、偽装への誘惑は強くなります。消費する側の不信感は募るばかり。
そしてその差が、価格ばかりではなく、いわゆる「狂牛病」(BSE)のように命に関わる質的な差 になるに至ったフランスでは、「食の安全」を守るため、本物だという証拠を付与する「認証」=第 三者の中立的な審査と、牛の追跡システムの制度化が進められているそうです。

 信頼されること 
 野菜については、まだ(多分)「命に関わる」ようなところには、幸い来て いません。でも、どこで誰がどのように作ったのか、という情報は、離れてしまった生産と消費の場 をつなぐために、信頼関係を保つために、これからももっと求められていくでしょう。わたし達がこ れまでお伝えしてきた「有機農産物認証制度」も、信頼性のある食品表示の制度たるべく昨年4月か らスタートしました。
この制度に関わって思うことは、結局最後は当事者のモラル、良心の問題なのだいうことです。 それがなければ、どんなに煩雑な書類や厳格な審査を科したところで、「有機認証」も砂上の楼閣で す。私たちは、有機認証取得という「お墨付き」で事足りることなく、直接皆さんに作る側の現場を 伝え続けたいと思っています。

 ホームページ作りました 
 この「菜園たより」も一つの手段でしたが、なかなかこちらにお招きできな い皆さんに、もっと楽しく畑や鶏のことをお伝えしたくて、ホームページを立ち上げました。まだ、作成途中 の部分もありますが、これから少しずつ写真も増やして充実したものにしていくつもりです。インターネット に接続して、ページをみることのできる方は、ぜひ、時々のぞきに来て下さい。アドレスは、 http://www8.ocn.ne.jp/~tobira/ です。

*大根、カブ、人参の間引き菜が入ります。炒めたり、煮びたしにしたり、佃煮風にしたりして、春のいのち を丸ごと召し上がってください。*(3月18日記)
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2002年3月第1週便

これまでで一番の暖冬  
昨年12月から2月までの平均気温が、熊谷では「観測史上最高」だっ たそうです。やっぱりねえ、凍えた野菜たちが翌日まで溶けない様な寒さが続く日はほとんどなかっ たし、葉物やネギのとう立つのは早いし、2月の後半は霜も降りない日が多かったし、、、
「冬の王様(?)」三浦大根も、使い切る前にとう立つ気配をを見せています。皮を厚めにむいて調理して ください。中身はまだまだとても甘くておいしいです。皮は、余裕があったら、キンピラに。「ほんまもん」 (NHKの朝の連続テレビ、このことはまた書きたいですが)の気分で。
てんとう虫の卵  
昨秋から伸び放題になっていた、ニラやワケギの間の草を手取りしていると、ホトケノ ザやオオイヌノフグリ、ハコベの茂みから、てんとう虫がころころ出てきます。赤い体に黒い星がつやつや 光って。1月にはボウッとしていたのに、この頃はとても活発にちょろちょろ動き回って、カップルになって いるのも見かけます。あちこちの土くれに、黄色い1ミリくらいの長細い卵が10いくつかくっついていて、冬 を乗り切ってもう繁殖に励んでいるのです。
まあ、「いい虫」ばかりというわけにはいかず、やっぱり、根切り 虫だのヤサイゾウムシだのカメムシだの(見つけ次第やっつけていますが)「悪い虫」も頑張っていて、草取 りしていると飽きません。
一口料理メモ
<カブの炒め物> 今出荷しているのは、ハウスに11月末に蒔いたもの。カブといえば、 軽く塩を振って、サラダや酢の物にすることが多いですが、たまには、炒めてみませんか。4つに割って薄切 りして、ブタこま肉などと炒めて、酒としょう油で味付けます。大根より早く火が通るし、ちょっとヌメリが出て甘く ておいしいですよ。
<下仁田ネギ> 春が近づいて、冬枯れ状態から少し復活した今が、最後の出荷どきとなります。鍋が一 番ですが、太目の斜め切りにして、柔らかくゆでて、マヨネーズ+しょう油+カラシのタレで食べても。 越冬した野菜のそばの雑草には、こんな風に色んな虫の世界があるのですが、次の作付けのためには、 ハンマーナイフという機械で草を粉砕しトラクターで丸ごとうない込んでしまわなくてはなりません、、、
豆入り味噌  
1月から特別注文でお届けしているうちの味噌を食べて、「豆が入っているー」と驚いたお 子さんがいたそうです。去年までは手作業でゆであがった豆をつぶしていたので、運良く(?)豆の粒が味 噌汁の底に残っていたのでしょう。そのお母さんは味噌が大豆からできていることがわかってよかったと言 ってくださったし、他にもリピートしてくださる方もいて、「手前味噌」を価格をつけてお分けすることにずい 分緊張していた私たちも、ほっとしています。
まだ、在庫がありますので、ご希望の方はお声をかけてください。(500g 400円)     (3月4日記)
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2002年2月第4週便

 

風と共に去りぬ 、、、  
暖かい日が続いて、足が、長靴ではなく、地下足袋を欲するようにな りました。足元も軽く、忙しさに加速がついてくる畑仕事に精を出しています。しかし、毎年のこと ながら、この春先の悩みは、強い風と乾燥です。天気予報と首っ引きで作業の日程を考えるのは、い つものことですが、期待した「雨マーク」が直前になって「雲散霧消」してしまうと、、、、
久々の雨マークに、5月にサツマ芋を植え付ける畑に米ぬかを7袋もまきました。米ぬかは、す ぐに土の中にうない込んでしまわず、表面において適度の湿気があると、発酵してよい微生物を生み 出してくれる、すぐれた有機肥料なのです。ところが、1滴の雨も落ちず、通り過ぎた低気圧のせい で、翌日は大嵐。米ぬかは、みんな白い風となって消えてしまいました。失った労力と費用(農協の 精米所から購入しています)を思うと、ため息が出ます。まあ、ハウスが飛ばされたりしなかっただ け幸いでしょうが。
  食べられるマルチ
  皆さんは、畑で使われている、黒や透明のビニールの帯みたいなものを 見たことがあるでしょうか? たいていはビニールマルチで、使い終わると取り除かれて「ゴミ」に なるものです。使い捨てのビニールマルチを使わずにやってきた私たちが、紙製のマルチを使い始め たのは3年前。草のひどくなる夏場の除草の手間を少しでも軽減させるためでした。この紙マルチ、 価格がビニール製の4,5倍するし、扱いにくいし、畑にすき込んで分解させるということから当然 使っているうちにボロボロになっていくし、と、あんまり評価できるところがありませんでした。
そこで、今年は、ジャガイモだかトウモロコシのデンプンから作ったという「生分解性プラスチ ックマルチ」というのを、試しています。土の中の微生物が分解してしまうので、「無公害」という のがうたい文句です。価格は紙マルチと同じくらい、でも軽くて作業はしやすい。分解の仕方や「持 ち」がいいかどうか、このあと見ていくつもりです。
「食べられるものからできているのが、何だかもったいないね」と言っていたら、息子の雪丸が、 はし切れをパクリ。すぐ吐き出してたから、やっぱりそのまま食べるのは無理みたいでした。
 キャベツの話の続き
  前回の「キャベツがない=黒っぽいシミが広がる現象」の件です。農業 改良普及所の検査では、結局「原因不明」でした。細菌やカビは発見されないし、土壌検査(ph値 や窒素含量)でも問題なし。その品種が、土地柄と今年のこの辺の天候に「合っていなかった」とし か言いようがないそうです。品種を変えるしかないでしょうと。当然、次は別の品種にしますが、今 年のキャベツがないのです。困ったものです。

今年も、ぼちぼち、夏の果菜類の育苗が始まります。トマトやピーマン、ナス、キュウリ、と、 いつものことながら、ちょっとウキウキします。 (2月25日記)
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2002年2月第2週便

 

木酢液でアブラムシ回避
   無農薬栽培で、最大最強の敵(害虫)といえば、アブラムシでしょう。初 期の段階でこれに取りつかれると、捕殺し損なったやつの増殖のスピードに、野菜の生育の方が負ける ことが多々あります。特に、これから育てる夏の果菜類の苗は、空気の流れが滞りがちなハウスの中で長 い間育苗するので、例年取り付かれてしまいます。もちろん虫除けの被覆資材はかけているのですが、 その辺を羽付きの成虫が飛んでいるので、水やりの時などに入り込んでしまうのです。
一度取り付かれると、「目を皿」にして、何回も苗を一つ一つ見て捕殺をしなくてはなりません。時間は 食うし、目は疲れるし。目がいいと自認する夫は、いいかげんな私が見た苗を再度見直したりして、ケン カ(?)になることもしばしば。
以前、「天然農薬」についての本を読んで、馬酔木(あしび)の花木を煎じた液を、苗に散布したことが ありますが、「天然」の名に恥じず、効果はいまひとつ。牛乳をつけて窒息させる、というのもやったことが ありますが、これも「おまじない」のレベルでした。

それでも懲りずに、今度は、雑誌で読んだ「アブラムシよけ装置」を設置しました。木炭を焼く過程で採 取する「木酢液」(燻製のきつい匂いがするコーヒー色の液体、高価でした)とニンニクと唐辛子をペット ボトルに入れて、育苗するハウスにぶらさげてみました。ソーセージと餃子とキムチなら、うちの大好物。 昔、同じ装置に、ファンタグレープを入れて、ヨトウムシの成虫を捕獲しようとしたこともあった(戦果はほ とんどゼロ)、、、今回もそんなに期待していないけれど、ハウスの中は燻製のいい匂い。効いてくれると、 夫婦も円満なんだけど。
 キャベツがない
   9月に定植して、1月から3月まで収穫するつもりだったキャベツが、変です。こ こ数年、T社の「彩ひかり」という品種を使っていて、毎年何割かは葉っぱの一部が黒っぽくなることがあ ったのですが、今年は3回作付けたもののほとんど全てにこの症状が出ていて、出荷できません。表面 は大したことなくても、奥にいくほどひどくなることが多いのです。
そこで、深谷の農業改良普及所に問い合わせてみました。す ぐに、現場を見に来てくれて、サンプルを持ち帰りました。まず、細菌の検査ではシロ。病気ではないと のこと。数日培養しても、カビ系統のものの発生もない。気象の影響でもなさそうだ。あとは、品種自体と 畑の相性がよくないのかも(3ヵ所別々の畑で作っていたのですが)しれないし、「生理障害」かな、とい って再び訪問して、畑の土を検査のため持ち帰りました。
ということで、原因はまだ解明されませんが、この先春物が出来るまで、「キャベツがない」状態が続き そうです。申し訳ありませんが、白菜が連続してセットに入ることがあると思いますので、よろしくお願いし ます。
 春よ来い、か、来ないでか
  春物は早く出来てほしいけど、今ある菜っ葉にはもう少し冬の気分で いてほしい、、、ここに来て寒さが本格化してますが、1月の暖かさで、菜っ葉は春を感じて、例年より早 めにトウ立ちの気配を見せています。好調なホウレンウのほかは、セット作りに苦労する日が続きます。 (2月11日記)
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2002年1月第5週便

 

1月のカミナリ
  1月半ばに、沖縄ではセミが鳴いたそうですが(例年は4月)、ここらでもずい 分暖かい日が続き、雷まで鳴ってしまいました。春雷というのも早すぎますね。近所の人の話では 10年ぶりのこととか。  でも、やっぱり、冬らしい冷え込みが戻ったと思ったら、今度は雪。途中で雨に変わったから、重 たいシャーベット状になった雪の重みで、あちこちの竹やぶの竹が、折れているのを見かけました。 うちでは、つぶれそうになっている、しつらえたばかりのビニールトンネルから雪を落としたり、翌日 の出荷に備えて雪をはねるために掛けておいた網をはいで、野菜を救出したり、と、昨日はぐじゅ じゅした畑で仕事を進めました。幸い、里芋やさつま芋を貯蔵してある穴には、水がたまらず、芋た ちは無事でほっとしましたが、白菜、キャベツ、人参、大根と、だんだん寒さで部分的に傷みが出 てきました。春物が出来るまで、お付き合いください。
  まめ料理
  前回お伝えしたように、今年は大豆がたくさんとれました。種用、出荷用、味噌 用、自家用と、4段階の選別も終了して、これからしばらくは、まめに、豆料理をしようかな、、、
うちが入っている生協のカタログによると、食用の国産大豆の自給率は18%だとか。食用油原料 としての消費量を含めると、わずかに4%の自給率ではありますが、「アメリカ産大豆の40%以上を 占める遺伝子組み換え大豆への不安感は根強く、国産大豆に対する需要はたかまっている」そう です。広大な耕地で、巨大な機械を使って、除草剤や殺虫剤に耐性のある遺伝子を組み込まれ た大豆を大量に生産するアメリカ産の大豆に、価格的に太刀打ちできるわけはありませんが、肉よ り体にも環境にも良い「畑の肉」大豆を、うちではこれからも出来るだけ作付けていきたいと思って います。
さて、大豆は「乾物」ですから、柔らかく食せるようにするまで、一手間かかりますね。皆さん、やっ ておられるかと思いますが、豆の2倍から3倍の水を入れて煮立たせたら、すぐにポットに移して、 一晩置くと、ずい分柔らかくなってその後の加熱時間を短縮できます。あるお客さんは、その7,8 割柔らかくなったのを、5,6分電子レンジにかけるそうです。うちはレンジがないので、しばらく鍋で 煮ます。一晩水につけたのを圧力鍋で煮ると、数分の加熱時間で、OKです。 ただ柔らかく煮ただけの豆でも、甘味があってそのまま食べてしまってもおいしいのですが、練り 味噌やキムチの素(うちの子供に好評でした)で合えると、ご飯が進みます。
あとは定番の煮豆。豆と煮汁の上から、昆布をぱりぱり手で小さくちぎったのと人参の角切りを入 れて、人参に火が通ったら、酒としょう油で味をつけて、汁気がなくなるくらい煮てから、火を止めて 味をしませます。豆と人参の甘味だけでさっぱり仕上がります。
肉と一緒にことこと煮込めば、ボリューム満点だし、かき揚げもおいしそう。 豆腐は手軽に使えて便利ですが、原料の大豆から見ると、とても贅沢な食品です。たまには、素 材の原形から、豆料理してみませんか。         (1月28日記)
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2002年1月第3週便

 

落ち葉集めの快楽
  このところは、3月くらいの暖かさが続いてずい分仕事も楽ですが、年明 けの寒さが厳しくて畑も体も凍える朝は、鶏小屋のある里山で落ち葉集めに励みました。山の地主 さんに許可を得て、熊手で掃き集めた落ち葉を、軽トラックの荷台にぐいぐい押し込んで運びます。 早朝の空気は気持ちがいいし、「仕事は布子(ぬのこ=着物)」というとおり、体も汗ばんできます。 木々の間を縫って車が走ると、山盛りになった落ち葉の上に寝転んだ私の目に、朝日を受けた繊 細な梢の模様が青空に浮かび上がります。

いちめんのいちめんの諂曲(てんごく)模様
               宮沢賢治「春と修羅」より

「この仕事、していてよかったなあ」と思う瞬間です。鶏小屋の近くには、そうして毎年集めた落ち 葉の山がいくつもあります。大人の背丈ほど積み上げても、一年足らずでほんとに小さくなってしま いますが、2,3年かけてこなれたら、苗の土になって野菜や畑に、山の力をくれるのです。
 単品の注文お受けします
  もう一つの朝仕事は、豆選別。ゴミやひどく悪い豆をはじいて、タネ と出荷用の豆を選りだして、残りを味噌用にします。もうすぐ味噌の仕込みにかかるので、夜は家 族総出(?)で精を出します。去年から、農協で糀製造機を借りて作るようになったので、よい糀が 出来て、味噌の出来もよいようです。 そこで、味噌を含めて、以下の品をご希望の方に販売します。在庫がなくなるまで受け付けます ので、よろしくお願いします。
1年もの味噌ー500g  400円
 うちの有機栽培の大豆(黒豆が少々混ざる)と隣家の低農薬米(除草剤1回使用)を使った自家製糀、天塩のみで仕込みました。
赤かぶ漬けー300g  250円
うちの赤かぶを天塩で下漬けしてから、昆布のだしと酢と砂糖の甘酢に漬け込みました。赤かぶの持つ色だけで、きれいに染まります。
大豆ー300g  300円
この辺の在来種の「こさ豆」です。
里芋ー800g  200円
通常のセットに入る量です。
ご注文は電話かファックス、配達時でも結構です。メールもあります。                          (1月14日やすこ記)
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2002年1月第1週便


  あけましておめでとうございます。
  今年もよろしくお願いいたします。

寒さに負けぬよう、野菜たちに助けられて、
暖かな春を迎えたいと思っています。
皆さまにも、よい一年でありますように。

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