無農薬有機野菜と平飼い有精卵の菜園「野の扉」

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たよりの箱(11)〜2004年7月から9月の「菜園たより」です



2004年9月第5週号

■水不足 解消  
 「コップいっぱいの水を頼んだのに、バケツでぶちまけられた」(とは夫の言)ような、先週の雷雨でした。秋雨の季節なのに、相変わらずの高温旱魃で、前日まで水やりしながら作付けをしていたのが、ウソのよう。短時間の、前が見えないような土砂降りだったので、傾斜のあるうちの畑では、川が出来たり、泥で野菜が埋まったりしました。
 こんな降り方のあとの畑は、土の表面がベターと固まって、野菜もかわいそうだし、見ている私たちも息苦しいほど。早く、ふくふくとした土に戻ってほしいです。 おととい、最後の白菜の苗を植えて、作付けのほうはひと段落。あとは、「虫見」ですが、雨がやまないと・・・

■「無農薬」という言葉 
  さて、東京の自然食品店に共同出荷をしている仲間たち「よりい輪組」では、店頭で、小さな「たより」を配ることになりました。創刊号は、秋の「虫見」のことが書いてあります。

(下の写真は、畑の雑草「ヒユ」が、ヨトウムシにレース状にされたところ。今回、娘がさし絵を描けませんでした))

 うちをはじめとして、脱サラ新規就農の「輪組」の仲間は、はなっから無農薬・無化学肥料栽培で、やってきたものばかり。でも、公的な認証は誰も取っていないので、店売りなどで「不特定多数の消費者」に向けては、「無農薬・有機栽培」とアピールすることはできないのです。それで、皆さんにこうして書いているように、個別のお客さまへのたよりという形式で、無農薬での野菜作りの難しさをわかってもらおうというわけです。

 そもそも、「無農薬」という言葉自体、「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」という法律で、この4月から表示禁止事項になりましたので、認証を取ったものでも、「化学合成農薬は、栽培期間中不使用です」という言い方しかできなくなりました。

 でも、この「農薬不使用のガイドライン特別栽培物」には、ある種の農薬(微生物農薬=BT剤や性フェロモン剤の類)は、使ってもよいのです。「JAS有機農産物」にいたっては、いくらそれらの農薬を使っていても、使用しているという表示も必要ないのです。ほとんどすべての害虫防除をカバーできる「有機で使ってよい農薬」のリストさえ出回っています。

 また、同じガイドラインの「減農薬」表示は、標準の半分以下の使用なら許可されます。先日新聞に載っていた「野菜の生産履歴を携帯電話から調べるシステム」の広告では、「減農薬」に務めている産地のナスの例で、農薬15回使用とありました。キャベツは、たとえば群馬県では、12回(1回に数種類を混ぜるから、実際の回数自体はもっと少ない)以下使用が「減農薬」の条件となります。

 かけた網をはずしては、葉っぱを一枚一枚ひっくり返して虫見をして、針の先のような小さな虫が見つかった、と喜んでいるようなのは、とても「農業(仕事)」とは呼べないでしょう。こんな私たちの頑なともいえる営みとは、関わりないところで、世の中は動いていくんだなあ、と妙に納得する今日この頃です。(9・27記)

■新味噌できました!
1月に仕込んだ、自家製糀の味噌です。糀の米は、隣家の「キヌヒカリ」。大豆は、もちろん、うちの「こさ豆」。塩は「赤穂の天塩」です。甘いです。
去年の熟成2年味噌もあります。
500g 400円。ご希望の方、お声をおかけください。

■野菜のひとこと 「クッキング・トマト」 
 9月も終わりに近づいても、最後の踏ん張りを見せているのが、クッキング・トマトです。お客さんに教えていただいたのですが、調理用と決め付けず、皮をむいてサラダに加えて生食してみてください。真っ赤に熟している方がおいしいです。もちろん、火を通して、「天然だし」のおいしさを炒め物やカレーなどにプラスしても。

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2004年9月第3週号

■たまご、あります。   
 4月の鶏小屋襲撃の後、卵のお客さまにはご迷惑をおかけしました。5月に入れた、若鶏たちが順調に産みはじめましたので、卵に余裕が出来ました。新規購入のお客さまを募集します。
 春から、輸入トーモロコシの使用をやめました。遺伝子組換えトーモロコシの混入の危険がわずかながらあったため、極少量のみエサに入れていたのですが、国産クズ麦を確保できたのに伴ってのことです。好物だったから、鶏には申し訳ないのですが。
 「いっぱい野菜をあげるから、いい卵を産んでね」と、少羽数(120羽)を丁寧に飼っています。『オツベルと象』(宮沢賢治)のオツベル(働かせるだけ働かせてエサをあげない、悪い主人)にならないよう、約束どおり毎日、菜っ葉やクズカボチャをやっているので、黄身の色は自然の黄色です。
 1ケ 40円 です。6ケ以上でお願いします。

 さし絵は、新ショウガです。地上部が7,80センチ。種の保存が出来ないので、毎年購入しなければならず、自家用程度しか作れません。娘が、「いいにおいだね、冷凍のショウガ(去年の種ショウガ)と全然違うね」と言ってました。

■シンクイムシ警報  
 バチバチバチと、派手な音を立てて、大きなトノサマバッタ(だと思う)が、畑を飛んでいます。「虫の秋」到来です。毎年、「虫見」の話を書いていますが、今年は、「シンクイムシ」が猛威を振るっています。
 「ハイマダラノメイガ」が正式名の、小さな蛾の幼虫です。大根に多く見られ、中心部にもぐり込んで食害するので、「ダイコンシンクイムシ」という別名がついています。百姓仲間では、「シンクイムシ」で通っていて、すばやく急所に取り付くので、夏の終わりから作付けるアブラナ科の野菜の大敵です。
農薬を一切使わない私たちは、もちろん、被覆資材で虫を防ぎます。コストも手間もかかるけれど、被覆資材なしでは、秋の野菜が取れません。でも、このシンクイムシのやっかいなところは、大きくなった野菜が被覆資材にくっつくと、外側から卵を産み付ける「技術」をもっていること。
 あの38度の猛暑の中、植え付けた秋一番のキャベツが、まず被害に会いました。軽症のものを、小さいけど早々に収穫して、外葉をむいて出荷しました。こんなことは初めてです。いつもは、ヨトウムシの被害を受ける遅いものより、確実に取れるのですが。
 雨が降らなかったので、どんどん繁殖して、シンクイムシ自体の密度が高かったのだと思います。同じく網の中で育てている苗にも、被害が出ました。水やりなどで、網を開けておいたちょっとの隙に成虫がもぐり込んで産卵したのでしょう。このあと、華々しく(?)主役を務める「ヨトウムシ」に比べて、小さいからこそ捕殺も難しい、難敵です。白菜やブロッコリーなどにも、色々被害がありそうです。
 被覆資材の数にも限りがありますので、最後に蒔く大根は、「はだか」になります。大丈夫かなあ・・・(9・13記)

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号外 バジルソース

■菜園「野の扉」のバジルと落花生を使った 
 小川町「わらしべ」の バジルソース は いかがですか?

 先週の8月30日付の「菜園たより」では、「来年以降、本格的に作っていただけるようになりましたら、またご紹介します。」と書きました。その後、試作品を差し上げた方々から「おいしかったから購入したい」とおっしゃっていただいたので、もう一度製造を委託します。
 この春、隣町に念願の小さな店を開いた「わらしべ」の山下さん(写真左)と伊藤さん(写真右)は、イタリアンレストランと天然酵母のパン屋で修行した、根っからの料理好きです。このバジルソースも、混ぜものなしのシンプルな配合と丁寧な仕事で、素材の味を生かした逸品になったと思います。すり鉢ですって加えた落花生は、バジルとの相性がとてもよくて、松の実やクルミに負けません。

◆原材料◆ 生スイート・バジルと炒り落花生(野の扉)、オーガニックのエキストラ・バージン・オリーブオイル(イタリア産)、塩(シママース)、ニンニク(埼玉県神泉村の松田優正さん=松田のマヨネーズ)
◆価格◆ 80g 特別価格 500円 (この原材料でこの価格は、お買い得です)
◆賞味期限◆ 冷蔵で1ヵ月は保存ができますが、開栓後は、お早めにお使いください。ビンの中のソースの上にオリーブオイルをたらしておくと、変色を防ぐことができます。 
◆製造予定日◆ 9月10日頃 お申し込みいただいた方から、お届けします。数に限りがありますので、「野の扉」TEL/FAX 048−582−3645 まで、お早めにお声をおかけください。
ご感想ご意見などありましたら、下記の「わらしべ」さんまでお願いします。近々、食堂をオープンの予定です。  埼玉県比企郡小川町大塚171−3  TEL/FAX 0493−74−3013
(9・6記)

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2004年9月第1週号

■秋模様  
  先週、地区のPTAで、毎年恒例の関越自動車道にかかる陸橋の草刈りがありました。新学期に備えて、通学路である長い歩道の草や脇から伸びるクズのツルを、男性は草刈機で、女性は鎌を手に、刈っていきます。いつもは引っこ抜けるはずの、アスファルトの割れ目から伸びた草の根張りの強いこと。高温旱魃(かんばつ)の夏が、こんな強い草を育てたんですねえ、と話しながら汗をかきました。
 39度の暑さの日もお手伝いいただいた、ボランティアのMさん。先週は、「涼しくて体の動きが違いますね」と、ほったらかしにしていたキュウリハウスの中の草取りや定植の手伝いをしてくださいました。その日は、林と畑の境あたりをツバメが5,6羽飛び交っていて、Mさんは「渡りの練習かなあ」といい、私は「渡る前に、虫をいっぱい獲ってくれるといいなあ」と都合のいいことを思っていました。 ( ↑さし絵は、夜開く「カラスウリ」の白い花です。 )

■作付けがいっぱい    
 8月後半から、10月にかけては、秋の農繁期です。ここ2週間で、キャベツ・ブロッコリー・白菜・レタス類の育苗に加えて、小松菜・大根の種まきを何回か(春蒔きが不調なので、秋蒔きのゴボウなども蒔いてみました)、キャベツ類(来年3月までの分なので、いっぱいです)や最後のキュウリ、セロリ、レタスなどの定植が続きました。この後は、大根、カブ、白菜、菜っ葉、そして玉ねぎの苗作りと進みます。
 ようやく、畑の草退治も追いついてきて、作付ける場所も確保されて来ました。雨模様のこの土日は、遅くなったうちの夏休み。ちょっと一息ついて、事務仕事など片付けながら最後の(になると思う)トマトソースを作りったり、久しぶりに家族4人で出かけたりしました。あとは、適度な雨を(土砂降りや長雨でなく)願うばかりです。

■がんばる豆    
 ずっと収穫の続いていた枝豆が、先週終わりました。カサが少ない夏野菜の中で、人気もあるしボリューム感もある枝豆を、今年は頑張って切らさぬよう作付けて来ました。この後のためには、有名な「だだ茶豆」に近い品種を蒔いてあるのですが、今年の暑さで、うまく収穫まで至るかどうか。あんまり暑いと、実が入らないのです。
 「三尺ささげ」は、夏野菜が衰えてくる時期のために、毎年作ってます。他のインゲン類が成育しづらい暑さにも、負けずにツルを伸ばして実ってくれてます。肉と炒め合わせるのが、おいしいです。
 ぼちぼち掘り出すのが、落花生。ゆで落花生のおいしさを、皆さんも、待っておられることと思います。いつも生で出荷していますが、去年は初めて、焙煎業者に依頼して炒り落花生にしてみました。よりぬきの大粒でなくては炒る価値がないし、焙煎代もかかるしで、千葉の落花生が高価なのもうなずけました。ところが、今は「柿ピー」の落花生にまで、中国産のJAS有機認定品が使われているんですね。晩酌をしながら、中国の畑や働く人のことを考えてしまいました。
 この炒り落花生を使って、隣町のピタパンサンドウィッチの店「わらしべ」さんに、バジルソースを試作していただきました。一般的には、松の実やクルミを使うのですが、うちのバジルと落花生で、素敵なソースになりました。パスタに限らず、トマトやチーズなどの料理にちょこっと載せるだけで、味わい深いものになります。来年以降、本格的に作っていただけるようになりましたら、またご紹介します。

■キュウリの一言 
 地ばえなので、曲がりや皮の傷が多くなってますし、涼しくなって生育がゆっくりなので、皮も硬めです。皮をピーラーなどでむいて、千切りにしたり塩もみしてから使うとよいかもしれません。よろしく。(8・30記)

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2004年8月第3週号

■夏( 野菜 ) の終わり・・・  
 史上最高に暑い夏も、ピークを過ぎたでしょうか。昨日の雨と涼しさには、秋の気配を感じました。ほっと一息、と言いたいところですが、夏野菜の方もグーンと下降してきているので、何だか心細いような淋しいような、、、
 夏から秋にかけての野菜の端境期が、例年より早く来ています。
 毎回入っていたキュウリもナスも、先細りですし、最後まで頑張っているクッキングトマトも、品質が低下、みんな肩のところが黒くなっています(雨のせいか、擦れのせいか、はたまた、火ぶくれの跡なのか、わかりません)。多めに入れますので(今は貴重な赤い野菜です)、良い部分だけ、炒め物などに使ってください。
 夏中豊富にあるはずだった葉物、エンサイとツルムラサキも、今年は、旱ばつの上にバッタに大変食われて(これは初体験)、力を発揮しないまま終わりそうです。唯一、ずい分遅くに蒔いたモロヘイヤが、カメムシの攻撃を受けながらも元気です。小松菜やニラの登場まで、引き続きがんばってもらいたいです。

 今お届けしている、さし絵のゴーヤは、「アバシゴーヤ」という品種です。ハリセンボン(沖縄名がアバサー)に似ているのでこの名前がついたとか。「苦味が少なく肉厚でジューシー」ということで、今年から作り始めました。ゴーヤのビタミンCはレモンより多いと、化粧品まで出ていますが、ゴーヤは自分の中の種を沖縄の強い紫外線から守るために、ビタミンCの抗酸化作用を利用しているそうです。この夏にはぴったりですね。だいぶ一般的な野菜になったと思って、皆さんに入れています。お嫌いでしたら、ひとこと声をかけてください。我が家では、もう少し早く作付ければよかったと思っているのですが。

■<料理メモ> 
ゴーヤの天ぷら  縦割りにして、スプーンなどで種と綿をとったら、お好みの厚さで小口切りにして、天ぷらにします。塩を振って食べるのを、近所のまんぷく農場さんに教えてもらいました。

■お盆のこころ  
 お盆の入りの日の夕方、この辺では、提灯を持って家族みんなで歩いている姿を見かけます。隣家の方に聞いたところでは、お墓へのお迎えの前には風呂を浴びて体を清め、道の角やお墓などで合図のたいまつを焚いて、ご先祖様を迎えます。お墓から戻る時は手を後ろに回して、ご先祖様をオンブする格好で帰ってくるそうです。
ああ、いい風習だなあ、と思いました。ここ数日は、お盆の静けさを邪魔しないようにしていましたが、明日からはまた、秋野菜の作付けに馬力をかけます。(8・16記)

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2004年8月第1週号

■機械も、人も、故障・・・   
 まだまだ、猛暑が続きそうです。ここ一カ月ほどの、一日の平均気温は平年より5度くらい高く、先週末の台風10号の影響で雨をもらえなかったら、降水量は10分の1以下でした。
 雨はなくても、草は伸びる、、、7月上旬に、頼みの綱の除草機(=左写真。ハンマーナイフ、といって、前部のカバーの中で、刃のついた長いつめが回転して、地上部の草をバラバラにする芝刈り機みたいな機械。畑をバリカンで刈ったようになるので、うちでは「バリバリ」と呼んでいます)が壊れました。作物の後片付けや、畑周りや農道などの管理に、7年ほど普通の農家では考えられないくらい酷使した結果ではあります。野菜や草に、土に返ってもらうためには、なくてはならない機械ですので、アタッチメントを新規購入と相成りました。
  2週間バリバリがいなかった畑は、いつにもまして草の海。野菜のキワや斜めの土手では、細かいノコギリ刃がついた円盤が回転して、草を刈り倒す草刈機を使います。その軽量の肩掛式の草刈機は私も使いますが、バリバリは夫専用です。復帰したバリバリで、深い草の海に突入していた夫が、今度は腰をおかしくしてしまいました。年一回搬入される、鶏の主なエサであるクズ小麦を、積みおろししたことも効きました。
 これも、酷使の結果ではありますが、新規購入もできず、徐々に慣らし運転で何とか復調。この異常高温旱魃(かんばつ)の中、水気を逃さず、遮光ネットを活用して、秋物の作付けや育苗も進めていますが、かつてないほど我が物顔に畑を覆い尽くす草を前に、夫は「今から、8月だからなあ」と、ぼやいています。

■夏野菜の調子  
 ハウスの大玉トマトは、虫の害に加え、この暑さで大半が立ち枯れてしまい、今後はほとんど取れそうにありません。
 これからが本番のクッキングトマトは、露地ものなので、先日の恵みの雨で、B品になってしまったものが多いです。スイカもマクワウリも、あんまり取らないうちに、枯れ上がってしまいました。勢いのあった立ちキュウリも、台風余波の風で、ずいぶんお肌が荒れた感じです。地ばえのキュウリが、この先どのくらいとれてくれるでしょうか。
 ナスは、まだまだ頑張っています(ナスおじさんが、色々な虫から日々守っています)が、今後も日照りですと、いつものように「ハダニ」で勢いを失うでしょう。

■料理メモ <ゆでナス>
 今年、夫がかわいがっている、白ナス(「花嫁」という品種)は、中身のやわらかさに比べて、皮がやや固めです。そこで、ゆでてから、皮をむいて、焼きナスのように食してみてください。ヘタを取って、丸のまま4,5分ゆでて、冷水にとり、半分に切って皮をむきます。ショウガやミョウガ、花かつおで。

■助っ人 参上 

 ここ2年ほど畑を手伝ってもらっていた源さんは、6月に畑を大きく広げて、その開墾に忙しくなりましたし、夏休みになっても、子供2人は部活動や補習で登校することが多く、なかなか手伝ってもらえません(娘は、これで2回さし絵をパスした)。そこへ、以前「たより」に書いた「農業ボランティア」の記事を覚えていてくださって、
 お手伝いしてくださる方がお一人現れました。遅れる仕事に、2人だけではギスギスしがちなところ、新鮮な空気とありがたい援助をいただいて、何とか、夏を乗り切りたいです。(8・2記) 

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2004年7月第4週号

■早く、秋来い  
 36度、37度の猛暑の日々を耐え忍んだごほうび(?)で、おととい未明、ようやくまとまった雨をもらえました。その前々日の午後の雷雨は、熱くなったアスファルトの道で、湯気を上げて消えていきましたが、ふとんの中で聞いた激しい雨は、久々に里芋の葉っぱの影の土までたっぷりとぬらしてくれました。
 その里芋、梅雨明け頃にこんなに小さいのは前代未聞、という状態です。うね間の草取りも、いつもなら、大きく茂った葉っぱの裏についたアブラムシが頭の上から落ちてくるのを子供達がいやがるのに、今年は見通しよくて楽(!)です。
 この後は安定してしまって、雷雨も期待できません。もらった水気もどんどん失われていきます。早々に夏バテ気味の私たちも野菜たちも、長い夏を乗り切れるか、不安です。

■FBIかホームズか  
 今年は、トマトに「タバコ蛾」の幼虫(イモムシ)が大発生。木の下の赤くなってくる実の方ばかり、見ているうちに、中段より上の方でもりもり食い進んでいたのです。 私は、上のほうにあんまり実がないなあ、暑すぎて実が止まらないのかなあ、などと、のん気に構えていましたが、夫が「プロファイリング」(事件の手口から犯人像を割り出すこと。犯人の心理を分析しながら事件を解明すること。FBIの捜査官を主人公にした「羊達の沈黙」という映画がありましたね)を始めます。
 注目すべきは、犯人の残した足跡。葉っぱの食い跡、フンの様子から、敵の所在を推測し、最後は「間違い捜し」。普通のトマトの茎や葉っぱとちょっと違うなあ、という映像を目の縁で捉える感じです。
 
 1,2ミリの極小のから、2センチくらいのでかいのまで、とにかく捕殺です。毎日収穫のたびに、へばりついて時間をかけているのに、主の枝を食い切られたり、大玉トマトに大穴を開けられていたり、花房全部のツボミを落とされているのを見ると、がっかりです。
 調理用以外のトマトをみんな、雨除けハウスで作ったことも、彼らの繁殖を助長しています。「簡単だよ、ワトソン君」とは、到底行かない、困難な捜査が続いています。これから、カメムシやニジュウヤボシテントウも加わるし、虫の連合軍に立ち向かうには、腕っこきの捜査官の応援がほしいものです。
 

■「愛」だよね、、、、  
 夏休みを前に、息子が「収穫祭だった」といって、トウモロコシと枝豆を持って帰って来ました。総合科の高校なので、一年生全員が「産業社会の基礎と理解」という科目で、野菜作りをしているそうです。農薬は使っていない、網もかけていない、というのに、しっかりとよい出来でした。「俺よりいいのもいっぱいあった。俺は時々さぼったし」 みんな毎日のように、水やりしていたとか。 
 夕飯時には、家庭菜園で、数本の苗を愛でるように育てる人のほうが、よい野菜を作っていることが多いよね、「愛」だからね、などと話しました。これは、ほんとの話。たとえば、今年、私が夫とけんかして腹を立てながら植えたピーマンは、しばらくして防虫布を開けたら、大部分が病気になっていました。他にも原因はあるのですが、やっぱり「気にしてやる」ことが大事なんですね。特に小さい時や環境が変わった時は特に。野菜つくりは子育てと同じ、とは、よく言われますが、どちらも卒業はなかなか出来そうにないです。(7・19記)

☆暑くて、鶏の産卵が落ちています。卵のお客さまには、交替で、お休み又は減数をお願いいたします。

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2004年7月第2週号

*この号は、お客さんにも拡大版のA42枚(普通は1枚もの)でお届けしました。web上では、写真を増やして、(注)もつけて見ました。

■暑かった6月
  
  気象庁によると、全国の32地点で6月の月平均気温の最高値を更新したとか。梅雨前線もなきが如しで、カラカラの梅雨で終わりそうです。このままでは、秋物の作付け(今週中に最初のキャベツを植えます)が大変そう。夕立頼みとなりますか。

■夏野菜いろいろ   
 今年も、いくつか新しい品種に取り組んでいます。うまくいけば、来シーズン以降本格的に取り組むつもりですが、まずはお試し。もしセットに入っていたら、感想をお聞かせください。
◎トマト 中玉トマトとして、去年までの「メニーナ」のほかに「ルイ」という小ぶりな品種をやりました。両方とも、春先のアブラムシのせいで、病気が出てしまい、本数が減ってしまいましたが。大玉では「ブランデーワイントマト」という、平たい形の変わったアメリカ原産のトマトにチャレンジ。まだ一個も取れていない・・・・ イタリアントマトとして名高い「サン マルツァーノ」は、いつものクッキングトマトと実の形が違います。超美味、とのふれ込みですが、どうでしょう。
(写真上は、左から、ブランデーワイン、ルイ60、メニーナ、下の左がサン マルツァーノ、いつものクッキングトール、ミニトマトはぺぺ、これは5段目の花房)



◎ナス 「花嫁」と名づけられた、細身の白ナス。木自体も産毛が白くて変わっ ていますが、ヘタが緑で白に刷毛ではいたように紫色が入っている実は、一見の価値あり、です。初物を油で焼いて試食したところ、皮も中身も独特のやわらかさで、これはうまい! 「賀茂なす」は、いつもの丸ナスの代わりに(あんまり違わないみたい)、作ってみました。ヘタのトゲが凶器のように鋭いので、「ナスおじさん」の夫がハサミで丁寧に(嫁に出すように)切り落としてお届けします。


◎キュウリ  いつもの「サンゴ」キュウリと同じ、四葉(スーヨー)系の「イボ美人」。去年は夏の終わりに作ってダメだったので、作付け適期に最後のチャンスを与えたら、けっこういい感じで育っています。「美人」も名ばかりではないようです。「メニーナ」同様、無農薬種子なので、結果がよければもっと使って行きたいと思っています。知人に種を3粒もらったのが、「フランスの」キュウリ。どうも、ピクルスで見かける短形のもののようです。種取りまでできると、面白いのですが。 

◎ジャガイモ 方々の草退治に追われて、まだ、掘り上げ完了していません。去年は、肌が悪くなって腐りが入る病気で、どの品種も半分近く廃棄しましたが、今年は乾いているのが幸いしてか、調子はまあまあ。なかでも、新品種「レッドムーン」は、赤い皮の色も鮮やかで、収量もあるし、種芋は高かったけど元は取ったかなあ。
 (web検索で調べたら)「赤い皮に黄色の肉質、甘味が強く、栗にも似た甘味とホクホク感。サツマイモとジャガイモの間のような味です。ほっくりとしてますが、煮崩れしづらいので煮込み料理、揚げ物、炒め物に向いています。休眠期間は短いので長期保管がしづらく、また栽培が難しいことから生産量が少なく、幻のジャガイモと呼ばれることも」ということですが、どうでしょう。早めに出荷するつもりです。
(注 他のジャガイモが、茎がなくなってきているのに、これだけはまだまだ茎がしっかりしていて、サツマみたいに「芋づる」的に掘れました。1株で3キロ近く芋がついているものも。今年の天候が合っていたのか)

近所の仲間もいろいろな品種を作っているので、持ち寄って味見大会をしようと、提案しています。
(注 左のは、「八列キビ」。北海道の焼きトウモロコシは、昔はこれだった、というカタログの文句にひかれて作ったけど、「煮ても焼いても食えない」というか、首をひねるようなしろもので、出荷不能。どうも、種自体が失われて、別物になってしまったものを、「八列キビ」として種苗会社が扱っているようです。ポップコーンにでもしてみようかなあ。)

■魔法の袋?   
 畑から直送の野菜、という点が、皆さまに購入していただけている大きな理由だと思います。この暑い時期に、鮮度を落とさずお届けするためにはとても気を使っています。
 葉物は、畑で取ったらすぐ霧吹きで水をかけて濡れ新聞でフタをして、他の野菜をとる間に乾かないようにして、朝飯前に何とかうちへ戻ります。出荷場には、大きな保冷庫があるわけではないので、朝どりして調整した野菜たちは、外界より5度以上涼しい、母屋(古い二階建ての農家)の風の通る土間にしまいます。
 ここで、威力を発揮するのが、「P-プラス」という特殊な素材でできた袋です。数年前から、家庭用の小さな袋をキュウリの保存用に使っていましたが、去年、販売会社に頼みこんで、リユースできる大袋を近所の仲間と共同購入することができました。ナスやキュウリやインゲン、オクラなど、あまり低温だとかえって傷む野菜の保存にぴったりです。特に鮮度を重視するトウモロコシや枝豆は、蓄冷材と一緒に発泡箱の中に入れて、配達まで予冷します。葉物などは、朝包んでから、夕方の配達(クール便指定の宅急便も一緒に持ち込む)までその袋に入れておくと、ほとんど消耗しません。せっかく育ってくれた野菜たちですから、いい状態で届けなくては。
(注 ただでもらった、年代物のスキャナが不調で、照手のさし絵がうまくスキャンできないです。これまで、実物より上手に(?)表現されていたのに。)

■ホームページのご縁  
 うちのインターネット上のサイト<無農薬有機野菜と平飼い有精卵の〜菜園「野の扉」〜 有機農業の現場から>は、パソコン自体初心者だった私が、2年前の春からボツボツ作り始めました。皆さまにうちの畑や鶏の様子をお伝えしたい、それから名刺代わりに、というのが主な動機。サイトがきっかけでお客さんになってくださった方も数人いらっしゃるけれど、今ではアクセス数は2万回を越えていますし、いったい誰が見ているのかなあ、と常々思っていました。
 突然家の前まで「ネットで見ました」と訪ねてきた人も数人いましたが、野菜が欲しいのではなくて、野菜が作りたい方々だったように、どうも「生産者」のアクセスが大多数のようです。この間は、初対面(?)の茨城の脱サラ百姓の方から「(5月4週号のたよりの)キスジノハムシは、キスジノミハムシでしょう(そのとおり、書き間違い)」というメールをいただきました。
 先週、やはり茨城で就農した若者二人が畑をのぞきに来てくれたら、うちのサイトをよく読んでいて、夫が知らないことも(菜園たより以外のコメントの類は、私が勝手に書いています)、私が忘れていることも熟知(?)しているので、驚きました。
(注 左は、茨城の若者のお一人、久松さんが、おみやげに持って来てくれた「切り取り先生」。先月の「菜園は今」の写真のページ≫でちょこっと書いたものを覚えていてくださったのです。ありがとうございました。夏の葉物の収穫に、重宝しています。トップページのコメントでも書きましたが、久松さんと松浦さんのお二人が、テレビの取材を受けました。詳しくは、「菜園は今〜2004年6月7月の写真のページへ≫

 ネットの世界では、毎日サイトを更新するのが当たり前みたいですが、うちのは1,2週間に一度ちょこっと新しくなるだけです。ネットで大々的に売り出すような商品を作っているわけではありませんし、野菜のセットの定期購入を希望する方と、ネットを活用する方の層が少し違うこともあって、これからも販売促進より畑や野菜の楽しさ・面白さをお伝えすることを主眼に、続けていきたいと思っています。そして、つたないながら、栽培に関する情報を共有できる場に、育てていければ、と思っています。まだご覧になってない方、ちょっとのぞいてみてください。(「野の扉」で検索できます)(7・5記)
(注 先週、来年の干支である鶏の写真を取りにきた、友人の平井さん。とても素敵なサイトを持っていらっしゃいます。最初は、カメラマンとしての営業用に、と思ったそうですが、なかなかそのようには利用されないようです。商売につながるサイト運営って、また別なんでしょうね。)

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