◆たよりの箱(24)◆

2008年1月から4月の「菜園たより」です

無農薬有機野菜と平飼い有精卵の
菜園「野の扉」

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2008年4月5週号

■ 4月も終わり 

 雨の多い4月でした。平年の2倍以上降ったようです。戦後2番目に気温が高かった3月のあと、この多雨で、野菜の生育は足踏み状態。実はずっと「端境期」が続いていて、葉物に頼ることが多いのに、収穫期のキャベツやレタス類に傷みが入ったりと、野菜セットのやりくりが大変です。品数の多いフルセットの方には、加工品や「野草?」も多用させていただき、何とか5月につないでいます。
 特に痛いのが、例年ですととっくに登場しているはずの、玉ねぎの不調です。「合わない」畑に作付けたせいか、ちっとも太らず、この先も豊作だった去年とは段違いに乏しいものになりそうです。

 毎年、4月後半から5月にかけては、夏野菜の定植のラッシュとなるのですが、この雨で作業が大幅に遅れています。ぎりぎりトラクターで耕せる畑を選んでは、準備するしかありません。それでも、ハウスにはキュウリに続いて、大玉トマトを植えましたし、トウモロコシや枝豆、ズッキーニやカボチャなどが、畑でゆっくり成長しています。麦ワラ集めと麦刈りで忙殺される6月までに、夏野菜たちで畑があふれるように頑張らなければ。

■ 虹色のブルーベリー 

 さし絵は、「鷹巣くぬぎの森広場」のブルーベリーです。天気が悪かったので、ひと枝いただいて娘に持って帰ろうとブルーベリー畑に入らせていただきました。近くで見ると、品種ごとに、葉っぱの色も形も、花やガクの色もさまざまで、本当にかわいらしい姿でした。そして、一日ごとに緑がもり上がるようなこの時期、くぬぎの森の木々たちも、若葉と一緒に、目立たないけどせいいっぱい花をつけて、「春」を謳歌しています。
 初夏には、早生の木からおいしいブルーベリーが実りだします。楽しみにしていらっしゃるお客様も多いですので、開園の際は改めてご連絡します。

■ 宅配便のお客様へ 

 例年、5月からは、クール便を利用しています。昨年10月に送料の改定をさせていただき、通常便はみなさま800円の送料でしたが、クール便の場合は、関東のお客様は送料900円、関西のお客様は送料1000円とさせていただきます。9月いっぱいはクール便を利用することになると思います。よろしくお願いいたします。ご不明の点などありましたら、お気軽にお問い合わせください。(2008年4月27日記)

<料理メモ> 春キャベツの納豆和え

 朝日新聞の、井川遥という女優さんのコラムで読みました。キャベツ半個を千切りにして、納豆1パックと和えてしまう、というもの。するすると、一人で全部食べちゃう、とか。やってみると、確かに食べちゃう・・・ でも、書いてあるように、納豆のタレをそのまま使うと、私には甘すぎたです。いつもの納豆のように、しょう油だけの方がいいと思いました。(春白菜は、炒め物がおいしいです)

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2008年4月2週号


■ 夏野菜登場 

 といっても、もちろんセットにではありません。ハウスにキュウリ、露地の畑に保温のトンネルをしてズッキーニ、の苗を植えました。同じくトンネルの中で、トウモロコシが芽を出しています。枝豆とインゲンもすぐ植えます。トマトとナスはまだですが、畑の用意が進んでいます。冬野菜の残りをどんどん片付けて、これからの作付けに備えています。
 今年は、黄色と緑のトマト、赤と黄色のピーマンなど、新顔も野菜も試します。うまく取れたら、皆様の食卓を彩ってくれることと思います。

■ 有機のたね屋さん訪問 

 先週、同じ埼玉の日高市から、農薬や化学肥料を使わず栽培・採種された固定種だけを扱う「たねの森」というたね屋さんの一行が、訪ねてくれました。自給用に畑や田んぼを耕し、これからは鶏も飼いたいということで、見学にいらしたのです。

 「たねの森」を5年前に立ち上げたKさんは、以前ほかの種苗店で働いていたとき、届いた種子の缶を開けるときは顔をそむけるようにと、種苗会社から言われたそうです。また、化学物質過敏症の方に、市販の有機農産物でも症状が出た(注)、と言われたこともあり、種の段階から安心できるものを、と、海外のオーガニック種子を取り寄せて販売するようになったそうです。

 うちは、畑や苗作りでは農薬を使いませんが、種は、種子消毒といって農薬処理をしてあるものも使っています。「たねの森」さんや同じく有機無農薬の種子を販売する「自然農法センター」の種も使っていますが、周年切らさずセットの野菜を作るためには、市販の大手種苗会社の種に頼らざるを得ないのです(1年間で、およそ200種近い品種を使っています。どの種に処理がされているかの情報は、ホームページで公開していますので、関心のある方はご覧ください)。でも、「たねの森」さんや「自然農法センター」の扱う品目が豊富になっていけば、私たちももっと工夫をこらして、無農薬の種子の使用を増やしていきたいと思っています。
(注) JAS有機認証では、現在のところ、入手困難なら、有機ではない種子の使用も認めている。

■ 「おうち」はまだか。

 と、育雛業者さんのところで、ヒヨコたちが心配しているかもしれません。5月中旬にうちにやってくるヒナたちの鶏舎が、まだ完成していません。
 移築前の鶏舎よりひとまわり大きくなる、骨組みのパイプは、地主さんの好意でいただきましたが、里山の傾斜地なので、その骨組みを建てるのも一筋縄ではいきませんでした。屋根の丈夫なシートや部品を少々購入した以外は、材料はあるものを活用。自宅敷地内にあった古い鶏舎を壊した時回収したものも使いますし、ぐるりを掘ってケモノよけに埋めるトタンや、壁をおおう金属枠や木材などは、前の鶏舎を壊しつつ取り付けます。壊す際に、中にたまったサラサラの鶏ふんは袋に詰めて持ち出して、夏野菜の畑の肥料にします。今は桜が満開の里山が、緑の新緑に覆われるころ、前の鶏舎はきれいになくなって、夏野菜たちが畑に勢ぞろいして、新鶏舎にはかわいいヒナたちが元気にとびはねているはずです。(4月7日記)

(さし絵は、桜の前に散っていった、庭のハクモクレン。虫を呼ぶためでしょうか、見事なめしべおしべに、娘が魅せられました)

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2008年3月4週号


■ 一気に春らんまん 

 鶏小屋のある里山のあたりは、もう散りかけている紅梅に続いて、白梅や桃、杏に、さくらんぼやスモモと、次々に花が咲き、雑木林の木々の枝先が芽吹きを目前に色を変えてきたのに気づきます。ウグイスやらヒバリ、名前もわからない鳥たちの鳴き声が一日中聞こえ、もうすぐツバメの姿も見ることができるでしょう。
 働く私たちが、少しずつ厚い冬着を減らしていくように、畑の野菜たちのトンネル資材も、脱がせたり掛け替えたりして、薄着にしていっています。育苗ハウスの中では、トマト、ナス、ピーマン、シシトウ、キュウリの苗が順調に育ち、ズッキーニやカボチャ、枝豆、インゲンはもうすぐ発芽、と、夏野菜の育苗はどんどん進みます。キャベツやレタスの苗は、ハウスの外の網の中で、畑への出番を待っています。
 これから秋まで、加速する忙しさを前に、武者震いならぬ、くしゃみに体を震わせているのは、花粉症の私と夫。畑仕事にはいい季節なのですが、今年は短期集中とかで症状がきついです。


■ 松田のマヨネーズはマヨネーズだ 

 5年前に、皆様にも署名のご協力をいただいた、「松田のマヨネーズ」の運動に決定的な進展がありましたので、ご報告します。

 この「松田のマヨネーズ」が、JAS(日本農林規格)のマヨネーズの定義には含まれていない「はちみつ」を砂糖の代わりに使っていることにより、「マヨネーズタイプ」に降格されたのは、2002年のことでした。 「体にいいものを厳選して、18年間作ってきたのに、マヨネーズと呼べないなんて」 という松田さんを支援する運動に私たちも参加し、3000名を越える署名を農水省に提出、マスコミ報道の追い風も受け、03年6月には再審議の決定を勝ち取ることができました。
 そしてこの3月5日に、マヨネーズを含むドレッシング類のJAS規格と品質表示基準の改正案が審議され、「消費者に良質な製品を提供する観点から」、「マヨネーズの原材料にはちみつを加える」ことが、了承されたのです。

 「松田のマヨネーズ」の愛好者で松田さんの知人であった、ということもありましたが、私たちがこの運動に深くかかわることになったのは、自分たちもまた、実際に「無農薬」「有機」で野菜を作っているのに、法律的にはそう名乗ってはいけない、という状況に置かれていたからです。JAS有機認証制度に関るなかで、言葉をお上に縛られる腹立たしさを感じていました。ですから、改正案に先立って行われたJAS制度そのもののあり方を検討する会議で、「消費者に重大な誤認が生じなければ、個別品目の厳格な名称規制はしない」という方向性を農水省が出したことは、この運動がもたらした大きな成果だったと思うのです。みなさま、ありがとうございました。
(注) 「松田のマヨネーズはマヨネーズだ」の運動に関しては、支援サイト http://www.geocities.jp/nonotobira/ をご覧ください。
現在、この改正案に関して、パブリックコメントが募集されています。
ドレッシングの日本農林規格の一部改正案についての意見・情報の募集について
ドレッシング及びドレッシングタイプ調味料品質表示基準の一部改正案についての意見・情報の募集について


■ 卵がいっぱい 

 さて、畑の資材を破いて巣作りに励むカラスには、毎年悩まされますが、春は、鳥たちの繁殖の季節。鶏たちもたくさん卵を産みます。上記の「松田のマヨネーズ」のパッケージに鶏と卵の絵(和田誠さんによる)があるのは、かつて自然食品店を経営していた松田さんが、春に余る卵を有効利用しようとマヨネーズ作りを思い立った、ということによるらしいのです。
 うちも、春は卵が余るのですが、真夏や真冬に産卵が落ちるので、お客様を増やすことはできません。4月5月限定で、あるときだけ少しでも余計にご注文していただける方がいらっしゃると、大変助かります。「同じ平飼いの卵でも、味が違うのよね」といっていただくこともある、自慢の卵です。お声をおかけください。よろしくお願いいたします。(3月24日記)

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2008年3月1週号


■ ここ10年で一番寒い2月 

 毎年2月は、低温、強風、乾燥の月なのですが、今年はそれが極まった感があります。記録的には、月平均気温が、暖かかった去年と比べると3度以上低く、久々に平年値(30年間の平均値)をも下回っています。ただ、今年は、低温そのものではなく、強風によって、「寒く感じた」日が多かったですね。

 去年の酷暑を、「ベルトの切れた夏」として記憶するなら、この2月は、「窓枠に土ほこりが積もった月」として記憶しようかと思います。初めての冬を過ごしている「新居」の裏は、さえぎるもののない広い麦畑。北風で、風呂や台所のサッシ窓のすき間から土ほこりが忍び込むことは何度もありましたが、23日24日の2日間は、窓枠の内側に5ミリほどの厚さで積もってしまいました。あたりが暗くなり家全体が揺れるような突風が続き、畑に飛び出してはがれたトンネルを直していると、横なぐりのみぞれが土と一緒に顔をたたく・・・

 といった具合で、野菜たちも身をちぢ込ませて、ちっとも大きくなってくれません。でも、見えない土の中では根っこをしっかり伸ばしているはず。ふくふくとした花をつけ始めた梅のように、野菜たちの春も近いはずです。

■ 野菜が乏しい 

 とはいえ、ジャガイモ、玉ねぎ、白菜、越冬大根が終わり、里芋も残り少なく、キャベツ・ブロッコリーは小さいし、ホウレンソウも寒害を受け、頼りはハウスのレタス・葉物類くらい、と、厳しい「端境期」に入っています。
 大変申し訳ありませんが、野菜セットが少しさびしくなったり、値引きさせていただくことがあると、予想されます。よろしくお願いいたします。

■ 温床を踏みながら 

 物置作りや、鶏舎の建て替えもあり、畑仕事は遅れがちで、先週やっと、恒例の温床作りをしました。水を入れながら、落ち葉、稲ワラに、米ヌカとフスマ(小麦の外皮)と平飼い養鶏の鶏ふんをまぶして、交互に積み重ね、踏んでいく作業です。重労働ではありますが、里山で集めた、いろいろな色と形の葉っぱを一心に踏んでいると、「何か」につながっている気がして、ずい分と気持ちがいいものです。今年は遅れているので、味噌の糀作りのとき、蒸した米一粒一粒にこうじ菌が付くように念入りにもみ込むのに似せて、葉っぱやワラ一つ一つに発酵を促す栄養分がいきわたるようにイメージして、よくよく混ぜ込んでから踏んでみました。
 その甲斐あってか、例年より早めに温度が上がって、もう、トマトやナスやピーマンの種を落としたトレイが並んでいます。しっかりと双葉が開いたら、数年前の温床を崩した苗土を入れた大きなポットに鉢上げします。今年の温床も、カブトムシのエサになりつつ、山で熟成を待ち、また、畑に戻ってくるでしょう。(3月3日記)

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2008年2月3週号

■ 春が足踏み 

 「冷えるねえ」「今日も風が強いね」が合い言葉になって、ひと月ばかり。雪が2回積もりましたし、台風並みの低気圧も。多くの方が亡くなった、中国の大寒波やアメリカの竜巻とは比べようがありませんが、最高気温が10度を超える日が滅多になくて大風ばかりなので、昨年から悪天候の合い間を縫って、露地に作付け続けているトンネルの中の野菜が、身を固まらせて小さくなって(!)います。冬の野菜の残りも乏しくなってきているので、早く若い人たちにのびてきてもらいたいのですが。

 人間界でも、次の若い人に手渡したいと、通ってもらっていた朋子さんですが、神奈川県の方で一足早い春を迎えることになりました。夫は、「花嫁の父」の予行練習をしているようです。畑や里山で感じたことが、朋子さんのこれからの暮らしの中で、何かの支えになれば、うれしいです。(2008年2月18日記

【朋子のHappy Veggie通信】 Vol.3 〜最終回

 みなさん こんにちは! 朋子です。私事ではありますが、結婚する事になり、今月で農園を去ることになりました。まだまだ伊藤さんご夫婦から学びたい事が山ほどあったので、とても残念というのが今の正直な気持ちです。
 菜園「野の扉」に通い始めて早5ヶ月が経ちました。あっという間に冬が来て、冬の畑で色んな事を学ばせていただきました。短い期間でしたが、色々な出来事や感情の変化などもありました。先日、育苗ハウスで土ふるいの作業を一人でしている際に、畑での思い出を振り返り、伊藤さんご夫婦の温かい愛情につい涙腺がゆるみ、ちょっと泣いてしまいました。周りにだれもいなくて良かったです。と思ったら、私のとなりでニャン子が静かに寝ていました。(笑) もしかしたら、細目を開けて見られていたかもしれません。
 今まで、お店に行って、当たり前のように買っていた野菜。消費者側からの立場しか知らなかった私が、生産者側という視点で野菜の世界を垣間見ることが出来た事は素晴しい経験となりました。おおげさではありますが、私の世界が確実に変わったように思います。野菜を食べるという行為に対して、とても有り難く思えるようになりました。愛を込めて作られた野菜だからこそ、そう実感する事が出来たんだと思います。そして農薬や、化学肥料を一切使わずに、虫と格闘しながらも、頑なに黙々と、信念をもって作り続け、正直に野菜を作っている伊藤さんご夫婦や周りの有機生産者の方々の姿に胸を打たれました。本当に頭が下がります。
 最後に素晴らしい農園で研修が出来た事を感謝して、お礼の言葉とさせていただきます。

<料理メモ>〜おいしいサラダ 

 以前も、ドレッシングを別に作るのではなく、油をまぶしてから塩コショウ酢を振る、というサラダの作り方を紹介しました。最近雑誌にもっと詳しく書かれてあったので、ご紹介します。
○ポイントその1 野菜は、しっかり水切りする〜ザルに上げるだけではダメ。専用のサラダスピナー(容器の中でぐるぐる回す道具。30年近く前、アメリカの料理番組で見たことがありました。今は日本でも普通に売られています。)を使えばよいのですが、わたしは、ザルとボールを組み合わせて流し台の中で振ることにしています。、フキンに包んで振り回すのもおすすめとか。
○ポイントその2 油をしっかりからませる。ボールの中で、油をまぶした野菜を、箸やサラダ用のフォークなどで、持ち上げては落とす(トスする、というらしい)を繰り返します。栄養と水分を閉じ込めるため。この後、酢に塩を混ぜたものを加えます。あとは、好みで。

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2008年2月1週号


■ 雪降りと冬の仕事 

 3度目の正直(?)で、日曜日は今シーズン初の積雪となりました。5センチほどの深さでしたが、スタッドレスタイヤを履き非常時には四駆になる軽トラックでも、畑の中の道に踏込むのはためらわれ、右の写真は、一輪車で大根をえっちらおっちら運び出しているところです。

 先月、味噌作りが無事終了したあと、作付けと出荷以外の時間は、たいてい敷地内の前住者が建てた鶏小屋を解体する作業をしています。前に解体したハウス跡と合わせて整地して、ゆくゆくはちゃんとした物置を建てたいと思っていますが、今シーズンは、残った別の鶏小屋に手を加えて、ジャガイモやカボチャ、玉ねぎなどの貯蔵場所を確保します。それも、農繁期になる前に終わらせなくてはならないし、山の鶏小屋の移動もあるし、で、時間がいくらあっても足りません。

■ 暖冬なのに、凍害 

 というコラムを、日本農業新聞で読みました。果樹は、秋から冬にかけて気温の低下ともに「耐凍性」を獲得していくのですが、温暖化によって、このような「耐凍性の増大」=「低温順化」が遅れると、最初の強い冷え込みで凍害を受けてしまうそうです。なかでも、日射を受けて暖まる南側の主幹表面が「寒さに弱い」ので凍害を受けることが多くなるとか。

 こういうことは、だんだん寒さに強くなっていく畑の野菜を見ていて、常々感じていました。秋が深まってもいつまでも暖かく、それで突然がーんと冷え込んで野菜たちがびっくり、とか。トンネルの中でも、暖かいはずの真ん中の列の方が寒さに弱い、とか。 毎日野良で過ごす私たちが感じているように、植物も感じているんですね。

■ うどんと鶏肉 

 うちの天日干しの小麦で作った「黒うどん」、久々の登場です。栃木の黒澤製麺所さんが、丁寧に粉に引いて風味・香りのよい乾麺に加工してくれました。250g入り330円です。細タイプと太タイプ(平)があります。夏が近くなったら、そうめん感覚の極細も頼むつもりです。ご希望の方はお声をおかけください。

 鶏肉は、2月から5月まで月一回のペースで出ます。解体してくれる方が、内臓まできれい、とほめてくれる、うちの自慢の鶏たちです。最近、「丸鳥」といって、丸ごと調理する方法を会得しました。圧力鍋なしでスープと肉の両方いっぺんにゲットです。イタリアレストラン「茂ル木」の茂木さん伝授のレシピをつけますので、これまでご利用になっていない方もお試しください。ひき肉仕様も好評です。一羽分1,000円です。
モモ肉2枚と胸肉2枚の部位別ブロックの場合と、ひき肉(モモ肉胸肉のみをひいてあります)の場合、ともにササミと手羽肉がついて、600gくらいになります。ガラと内蔵はご希望でサービスします。詳しくはお声をおかけください。(2008年2月4日記)

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2008年1月4週号


■ 寒さの底に 

 昔は1月後半から2月にかけてが最寒で、鶏小屋の水桶に張った厚い氷を割っていたものですが、年々、「底」がはっきりしなくなって、けいれん的に襲いかかる寒さに振り回されるようになってきました。今年は、灯油が高いので、このゆるい寒さも身にしみるのかもしれません。でも、いつものように、米や豆を蒸かすかまどの火に暖をとりながら、この時期恒例の味噌作りに精を出しています。

■ カウントダウンって? その1 

 年始早々くだくだ書くのも無粋だと、はしょりすぎた夫の前の「たより」の文章が思わせぶり(?)で、うちに何か悪いことでも起こっているのかしら、と心配してくださる方がいました。逆に楽しいことが始まるのかしら、と思ってくださる方もいましたが、一つには、農産物をめぐる世界情勢について、大変なことが始まっている、ということを言いたかったのです。
 皆様もご存知のように、一昨年から、小麦、トウモロコシ、大豆などの穀物の価格が高騰しています。原因としては、代替エネルギー源としての穀物由来のバイオエタノールの需要増と、中国・インドなどでの食生活の変化、オーストラリアなどの食糧輸出国での大凶作が言われています。原材料である農産物の値上がりから、様々な食品の値上げが続いています。
 今後も、食糧不足は強まりこそすれ、解消はしないのではないかと思われます。バイオ燃料のためにトウモロコシが値上がりして、主食が手に入らなくなったメキシコの貧しい人のように、世界中で飢えに苦しむ人が増えていくでしょうし、お金を出しても欲しいだけは手に入らなくなるでしょう。

そんな状況のなか、養鶏を続けていくことには無理が生じてきているのではないか、と、この間ずい分悩みました。うちの鶏のエサは、国産のクズ麦(規格外の小麦)、米ぬか、オカラが主体です。輸入飼料のトウモロコシや大豆カスのように、価格の高騰にはまださらされていませんが、飼料高騰を受けて、大規模な畜産農家が国産飼料を買い集めだせば、うちのような超零細養鶏など吹っ飛んでしまうでしょう。また、家畜を養うより、人間の食料として活用しなければならなくなるかもしれません。

そんなこんなで、「よーく考えた上で前進したい」という年始号の文章となったのですが、結論として、もう少し養鶏を続けてみようということになりました。売上にすれば全体の1割ちょっとなのに、ずい分手間や費用をかけて維持してきたものですし、百姓として最低一つは生き物を飼いたい、小規模だからこそできる「よい卵」を自分たちも食べ続けたいという思いは強いです。壊れかけていたエサの撹拌機の買い替え、里山の景観上要請のあった一つの鶏舎の移築、育雛業者の廃業に備えたヒナ小屋の確保、と、一つ一つ課題をクリアーして、今までどおり卵をお届けしていくつもりです。「その時」が来るまで。(2008年1月21日記)

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2008年1月1週号


あけましておめでとうございます。
本年も、菜園「野の扉」の野菜たちをよろしくお願いいたします。




何かのカウントダウンが始まったような年初めです。
覚悟を決めて始めます。
いくつかの大きな懸案事項もあり、よーく考えた上で前進したいと思います。

皆様には、今までどおりのご支援とご理解をお願いいたします
(2008年1月4日記)

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