◆たよりの箱(29)◆

2009年9月から12月の「菜園たより」です

無農薬有機野菜と平飼い有精卵の
菜園「野の扉」

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2009年 年末号


 毎年年末には、何とか1年間皆様に野菜と卵を届け続けられたことを感謝し、新たな年に向かって新しい人との出会いを願ってきました。そんな「野の扉」の今年最大のニュースは、「扉」を開けて入ってきてくれた、研修生の翼君の登場でした。
 4月の晃の腰痛ダウンの時も、夏の暑さも、春と秋の作付けの忙しさも、冬の寒さも、彼と一緒に乗り切ってこれました。今年は、晃が地区の農業関係の役職についたので色々な勤めがありましたが、仕事に大きな支障が出なかったのも彼あってのことです。10ヶ月で彼もずい分成長しました。自分の将来を見つめつつ、年明け以降も引き続き、「野の扉」を支えていってくれます。

 春には、娘が大学生となり、遠い仙台の地に旅立ちました。

 そして、高校卒業後、家を出て2年ほど勤めたインストア・ベーカリー・チェーンの会社をこの夏にやめて国産小麦と天然酵母のパンを作る個人店に修行に出るも、2ヶ月で退職してしまった息子が、先月再び「扉」を開けて帰って来ました。
 今は、翼君の後輩として毎日の作業をともにしながら、出荷日の午前中に一つずつパンを試作しています。1歳になる前から、父の焼くしっかりしたパンが大好きだったし、妹と一緒に落穂拾いや麦踏みをした息子です。お客様に野菜とともにパンをお届けしながら、彼がパン屋に至る道は大変長く厳しいでしょうが、見守っていきたいです。


(上の写真は、自家製酵母のパン第1号です。下は、2週間ほどかけて、うちの小麦から育てた、その自家製酵母。写真をいろいろ撮って、のちのちの販促(?)に使おうと、ブログのアルバムにためています。現在は、ここです。)





 15年以上培った農業や地域との関係性のあれこれを翼君に伝え、東京で小さなパン屋をやっていた経験を息子に伝え、と、夫は、今まで以上に「語る人」になっています。「言うは易し」「耳に魚の目」(本人談)、というところではありますが、私以外の聞き手は優しいので、「野の扉」には笑い声が絶えません。


 世の中は、狭く暗い路地に押し込められていくような感じですが、皆様においしい野菜と卵を味わって少しほっとしていただければいいなあ、と毎日努めておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。(12月18日 泰子)

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2009年12月3週号

■ 憧れのタクアン 

 冷たい雨が降っています。雨の少ないこの時期に今年は週に1度は雨。野菜の過湿が気にかかります。
 そんな雨降りの今日は、たくあんを漬けました。天日で干した漬け物用の細い大根を、巨大な樽に詰め込んでいきます。昔から田舎のおばあちゃんみたいになりたいと思っている僕には、漬け物は必須科目。その憧れの作業ができたことの喜びは大きかったです。ふにゃふにゃの大根の手触り、さらさらの米ぬか、唐辛子のにおい、そして冷たい空気と雨の音。漬け物部屋の中はすべてがしっくりきて、心地よく、なんだかとてもいい時間でした。
 たくあんは塩とぬか、それに大根葉と昆布、唐辛子で漬けます。このシンプルな材料であの味になるのですから、漬け物とは本当にすごい。そして時間が経つと自然と鮮やかな黄色に色づいてきます。ちょっと信じられません。

 はてさて、今回のたくあんは上手に漬かってくれるでしょうか。2009年の終わりの時間と2010年の始まりの時間が流れ、やがて樽を開けた時、黄色くくにゃりとなった彼らに再会することを楽しみに、これからも日々歩んでいきたいです。それでは、みなさま、良いお年を。(12月11日記 翼)
(紙版のたよりには、1枚しか写真が載りませんでしたが、ここには、4枚。1回目の大根干しは80本。右上の写真のように、若い二人の手があったので、洗いも大変楽でした。この写真の真ん中辺にご注目。外水道の水音がすると、すぐ駆けつけてくる、猫の「ニャー」が、この時も付きっきりでした。水桶の中に入っちゃったこともありますし、水道の蛇口と排出口について、思索を深めようとしているかのように、よく観察し、水の性質について学んでいます。
 寒い夜はシートなどで保温し、雨の日はひさしの下に取り入れ、干すこと10日あまりで、お客さんにお分けした残りの60本を、2タルに漬け込みました。翌日には、2回目の50本ほどを抜いて干して、年内に漬け込みます。この間に、白菜漬け1回、赤カブ漬けも2回、あとは高菜漬けが課題です。)

■ 裏切りのカボチャ 

  「栗のような食感に加え、甘みもあり食味に優れる。極粉質で日持ち性があり、冬至カボチャに最適。」という種苗会社の売り文句を信じて、10数年作り続けていた品種から、今年は新品種に全面的に切り替えました。「メルヘン」カボチャが終わってから、何回か出荷したのですが、「どうやっても、おいしくない」という正直な感想もいただき、自分たちで何個も試食しても「当たり」がなく、すでに出荷停止しております。寒さの中で、少しは味がよくなるかしら、と、一応まだとってはありますが、こんな美味しくないカボチャは、「野の扉」史上初(?)、であります。お届けしてしまったお客様には、深くお詫び申し上げます。(12月14日 泰子)

<料理メモ> 〜大根の皮を使って〜 

@大根の皮は厚めにむいてとっておく。よく洗ってから千切りにしてザルにあげ水気を切る。
Aタッパーに醤油と粒山椒(中華材料店やスーパーにあります)をいれ、大根の皮を入れる。数時間後、翌朝にはとても美味しい醤油漬けになっています。*ニンジンの残りとか、セロリ等入れてもいいですよ。
これは四川料理の突き出しで出てきたお漬物をヒントに作ってみました。とても好評です。大根の皮は捨てないで、美味しく食べましょう!
(東京のNさんから教えていただきました。うちの近所のスーパーには、粒山椒がなかったので、粉ので代用。あと、ゆずコショウのバージョンもやってみました。「おなます」など作る時に出た皮を、手軽に1品にできますよ)

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2009年12月1週号

■ 大根が干せない冬 

 11月は、数回霜が降りただけで、冷えない朝の連続でした。北風も吹かず、例年ならとっくに1回目を干し始めるたくあん用の大根も、抜くに抜けず・・・ 
 でも、里芋の貯蔵や大豆の脱穀は終わっていますし、ナスや山芋の支柱も片付いて、畑はすっきりしました。ハウスの建て替えと落ち葉集めと漬物関係いろいろ、春一番の作付けをいくつか、などを出荷の合間を縫ってやりぬけば、新しい年が来るはずです。
 ということで、恒例の、

■ 年末年始のお知らせです 


◎ 12月25日(金)までは通常どおりです。 ◎ 1月 6日(水)より通常に戻ります。  ★印の項が、通常とは異なる部分なので、該当する方はご注意ください。
月曜 配達、発送の方 配達 最終便は、28日(月)です。
★年始は、5日(火)より始まります。
発送 宅急便の最終は、28日(月)発送、29日(火)到着です。
年始は、4日(月)発送、5日(火)到着です
水曜 配達、発送の方 配達 最終便は、30日(水)です。
年始は、6日(水)より始まります。
発送 ★ 宅急便の最終は、29日(火)発送、30日(水)到着です。
年始は、6日(水)発送、7日(木)到着です。
金曜 配達、発送の方 配達の方の最終便は、25日(金)です。宅急便の方は、26日(土)着です。
★ 1月 1日(金)は、お休みします。
年始便は、8日(金)です。宅急便の方は9日(土)着です。
★隔週配達・発送の方は2週、 間があくことになります。

年末最終便の1回前のセットに、それぞれの方の、「年末年始の配達予定日及び最終セット内容予定品目を書いたチラシ」を入れます。ご覧いただいた上で、配達日の変更、お休みなどについてのご連絡をお願いします。

■ 炒り落花生はいかがですか 

  秋には、生で出荷していましたが、成熟してから掘り上げた豆を洗って乾かし、業者に焙煎を委託して、炒り落花生として袋詰めしました。180g入りで 〇○○円です。品種は、「千葉半立」です。(この価格は、野菜セットのお客さまに対する特別価格ですので、Web上では、非公開とさせていただきます。)
 本場千葉の八街では、「(他の品種に比べて)小粒で器量の悪い落花生ですが、豆本体は昔懐かしいコクと甘みに富んでいます。高級品種としてその風味豊かな美味しさに人気があります。しかし、量産が難しく、きれいな落花生も出来にくいので、年々生産農家が減り、苦慮するところです。」といわれています。(参照サイト http://shop.rakkasei.com/shopbrand/002/X/
 数に限りがありますので、ご希望の方は、お早めにお声をおかけください。(11月30日 泰子)
(上のさし絵は、娘が2003年中学1年生の時に描いたものです。懐かしいので。)

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2009年11月3週号

■ 玉ねぎ、コツコツ 

 11月に入ってすぐに、霜が降り氷が張りました。このまま冬到来かと思いましたが、そんなに単純にいかないのが今年の天気。その後は暖かい日が続き、先日はこの季節には珍しい大雨。さあ次はなにがやってくるのでしょうか。野菜も鶏も人も、びくびくしています。

 最近の畑での大きな仕事は、玉ねぎ定植です。だいたい25メートルの1ベッドに800〜1000本植えます。今年はだいたい8〜9000本は植える予定。定植の際は1本1本丁寧に植えていきますので、時間のかかる作業です。ずっと下を向いて植え続けて、だいぶ進んだと思って振り返るとまだ3メートルしか進んでいなかった。こんなことがしょっちゅうです。でも、この全然進まず終わりが見えない作業、というのもなかなか悪くありません。作業自体すごく単純で、ただひたすら植え続けるだけなのですが、手が離せなくなります。1ベッド終わっても特別達成感を感じるわけでもなく、すぐに次のベッドに取りかかりたくなります。とにかく前に進みたい。この定植中毒の原因は不明です。

 でも考えてみれば百姓の仕事は規模の大小はあれ、このような仕事が多い気がします。コツコツ、コツコツ。ほんとうにそんな音のしそうな仕事です。コツコツ、コツコツ。いい音です。(11月13日 翼)

■ 暖かいので・・・ 

 蝶や蛾、羽虫の類が、まだまだ飛来し、産卵し、孵化しています。早々と成長してしまい防虫ネットを押し上げてはみ出したブロッコリーやカリフラワーやキャベツが、彼らに食べられています。大きくなりすぎないよう、保温資材を脱がした小松菜類も、餌食です。

 葉物では、ほうれん草>小松菜>京菜>春菊、というのが、寒さに強い順番です。春菊には、冷え込みに備えて、パオパオという保温のための不織紙に加えてビニールのトンネルも仕込んでありますし、次の春菊はハウスに植えてあります。収穫中の京菜は、パオパオのトンネルをかけられるようにしてありますが、厳しい寒さには耐えられないので、年内で終了します。これから2月までは、小松菜とほうれん草がメインになります。ところが、畑で次々と取れるように、時期をずらして作付けてあるのに、この暖かさでどんどん出来上がって、収穫が間に合いません。どこかで足りなくなるはずなので、小松菜やほうれん草は、少々大きく育ちすぎたものも、セットに使わせていただいています。
 霜をじゅうぶんに受けていれば、大きくても、火を通せば柔らかくて甘みも強いのですが、今の葉物にはそれは望めません。できれば丈を半分にして、下半分は長めに火を通したり、別に炒め物などに使ってみてください。

■ 卵不足 

 日が短くなると鶏たちの産卵率が落ちて、ご注文の卵の数を減らしてのお届けとなることがあり、ご迷惑をおかけするのは毎年のことなのですが、今年は特にこの落ち込みが大きいのです。2度目の秋で、正規の休み(休産して羽が抜け替わる)をとる群れだけでなく、働き盛りのはずの群れまで、さぼっているようです。気温が高めなので、夏の暑さから鶏たちを守ってくれていた里山の林の落葉が遅れていて、日照不足に輪をかけているからかもしれません。とにかく調子がとれない様子ですので、今後毎回のように減数してのお届けとなるかもしれません。申し訳ありませんが、鶏たちに春が来るまで、よろしくお願いいたします。(11月16日 泰子)

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2009年11月1週号

■ 掘っても掘っても 

 秋も深まってきました。畑の周りの木々がだんだんと色づき、虫たちの鳴き声も弱弱しくなりました。日の出は今では6時過ぎ。毎朝昇ってくる朝日を見ながらの収穫です。朝露に濡れた野菜は冷たく、最近は手が凍えることもあります。着実に冬が近づいてきています。

 冬を前に今は野菜の掘りあげと貯蔵で大忙しです。寒さに弱いサツマイモは無事掘り終え、数日太陽をあてて乾かし、暖房をかける部屋に貯蔵。生姜はハウスの中に穴を掘って貯蔵しますし、今日も掘っていた里芋は畑に作った貯蔵穴に。みんな暖かい新たな寝床に喜んでくれるでしょう。あと少しで掘り終わる落花生は、炒り落花生にするために順次乾燥中です。

 しかし伊藤さんから聞いた話では、生姜は温度と湿度の管理が非常に難しくカビたり腐ってしまう可能性が大。里芋は大雨や大雪で貯蔵穴に水がたまり、全てダメになってしまったこともあるそうです。考えただけでも恐ろしい。野菜を育ててくれるのが自然の力であれば、野菜を腐らせ、水没させてしまうのも自然の力。そんな大きな力に翻弄されつつも、感謝し感動し続けていけたらと思います。 (10月31日 翼)

・左の写真は、一株ずつ掘り上げて泥を落とし、半日干している里芋 
・右は、大物のショウガの株を持つ翼君

■ 雨、風、冷え込み 

 というパターンで、今週は初の寒波襲来のようです。10月が暖かかったので、人も野菜も備えが今ひとつ、先週後半から、あたふたしております。翼君が書いているように、まずは里芋の貯蔵を急がなくてはなりません。畑に置いておく物も、ちょっと防寒してやらなくては。あとは、レタス類や春菊など、霜でだめになってしまうものの防寒。アブラムシがついてしまったので、被覆資材を脱がせてある白菜などにも、もう一度資材をかけなおしてやりましょうか・・・

 とはいえ、昨日は25度まで気温が上がったし、この小寒波のあとは、また気温が高め。寒波の後も、再調整であたふたしそうです。
 そして、収穫や掘り上げが終わったはしから、畑を片付けては耕し、もう春の作付けに向けての準備も始まっています。菜っ葉の陰でうろうろしているお腹の大きなカマキリや、冬眠に向けてぼんやりしているカエルたちを横目に、冬到来までまだまだ忙しい日が続きます。

■ まだ 引越し 

 自宅を引っ越したのは、2年前の春でした。その後、この年末までの2年間の約束で自宅の裏の畑を借りて、物置ハウスを建て、引越しに際して収まりきらなかった荷物や道具を入れました。今は貯蔵玉ねぎや薪・段ボール箱のストックなども入っています。返す期限も近くなりましたので、まずは、余っていた部材で一つ小さなハウスを建てて少し荷物を移しましたが、これからいよいよハウスを解体し、別の畑に建てなおします。このハウスの部材の一部などは、3度目の新天地での再生となります。その間漂流するもろもろが、あるべきところに収まれば、3年がかりの引越しが完了したことになるわけです。(11月2日 泰子)

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2009年10月3週号

■ アニマルズ 

 朝晩はだいぶ冷えるようになりました。布団から出るのに少し勇気が必要になってきています。それでも昼は晴れると暖かく、空気は乾いて爽やか。とても気持ちのいい日々です。そうこうしているうちに紅葉も始まりそうです。秋って素晴らしい季節ですね。
 昨日の朝、泰子さんがキツネを見ました。僕も伊藤家の裏の畑では何度か目撃しましたが、里の畑では初めて。そういえば少し前、やっぱり泰子さんがウサギを見つけました。タヌキとアライグマの姿は見ていませんが、夜には間違いなく現れていますので、畑にはずいぶんといろいろな動物が来るのだなあと感心。
 そういえば、畑の近くに住むおばあさんから、「このあたりは、少し(?)前には広い道路なんてなくて山道だらけ。夜はもちろん真っ暗。よく、人がキツネに騙されたもんだ」と聞きました。今では高速道路が近くを通り、アスファルトの道を街灯が照らしています。この時代の変化には驚きます。でも動物たちはもっと驚いていることでしょう。もう人間を騙そうなんて余裕もなく、安全な寝床探しで精一杯・・・
 そんなことを考えつつも、僕は作物が食べられたり、資材を破られることに頭を悩ます百姓であります。まったく百姓は難しいことだらけです。(10月17日 翼)

■ ビートルズ 

 畑のアニマルといえば、まずは虫です。秋の地上の最強の害虫は、おなじみの「ヨトウムシ」ですが、地中の害虫ナンバーワンは、「コガネムシ」でしょう。コロっとした幼虫が、根っこや芋をかじりまくるのです。かじられたところから、病気が入ることも多いです(成虫は葉っぱを食害)。
 その被害が顕著なのは、サツマイモ、里芋、落花生ですが、アスパラガス、陸稲、ササゲ、大豆など、ほとんどすべての野菜の地下部分を食料にします。作付けた後のウネのすぐ下を動き回って、苗や葉っぱを枯らしたりもします。うちのように、周囲を林に囲まれている畑には、どんどん成虫が飛来して産卵されてしまいます。有機分に富んでいるのも、好まれる要因かとも思います。アライグマや他のケモノたち同様、里山が荒れると増えることもあるでしょうし、年々被害が多くなっています。

サツマイモ、里芋は、少々の食害があるものも、出荷させていただいています。よろしくお願いいたします。

<料理メモ>〜サラダみたいな煮びたし〜 

 20年ちかく、大根間引き葉の煮びたしを作ってきましたが、題名のようにほめられましたので、ご紹介します。
 たいていは、洗ってそのまま刻んで鍋に入れ、切った油揚げを載せて、みりんとしょう油をかけ、ふたをしてぐつぐつして、火が通ったら仕上げにごま油、というのが私のこれまでのやり方でした。
 このときは、ちょっと育ちすぎた大根葉だったので、まず最初に湯通ししました。それが、たまたま麺をゆでようと、縦長の鍋でお湯をわかしていたので、根っこのほうだけやや長めにゆでて、葉っぱはくぐらせるだけ。それから、一度冷水にとって絞って切って鍋に入れたのに、最初にごま油を回しかけたのです。ざっと合わせてから、油揚げ、調味料を入れて、短時間煮ました。
 秋の大根葉は、1年で一番おいしいです。ぜひお試しを。(10月19日 泰子)

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2009年10月1週号

■ 秋の想い 

 日の出がずっと遅くなりました。今僕の起床時間は5時10分。その時間はまだ暗く、家を出る頃に明るくなります。伊藤さんの家までは10分。毎日通うのに遠くも近くもないちょうどいい距離。ジャンパーのボタンを全部閉めて、線香花火みたいな朝日が昇るのを正面に見ながら、まだ眠っている街を原付でタラタラ走っていくのはなんとも言えず気持ちがいいです。先日ふと感じた僕の幸せなひと時です。

 ただここのところ天候不良で朝日が見えなかったり、原付に乗れなかったりとすこし残念な日々。しかし畑の方は待ちに待った雨にみんな喜んでいます。これで生育の遅れていた子たちも大丈夫でしょう。嬉しい雨ですが、この先ずっと雨が降り続いてしまうと困ってしまいます。
 お天気の神様、何事もほどほどが肝心です。極端すぎるのは困ってしまいます。どうかよろしくお願いします。と、どこか空の彼方から聞こえてくる気がします。
 お前らは贅沢言い過ぎるぞと。(10月2日 翼)

■ 特製味噌はいかがですか? 

 先月は、戦後最も少ない降水量となったようです。雨が少なければ、水を撒いてしのぐことができますが、降った雨は戻せませんので、降りすぎる例年より、今年の9月の野菜の生育は順調だったといえるでしょう。夏物の残りと、秋物の走りが重なって、「端境期」がありませんでした。

 そんなことで、「端境期」の1品にと、毎年仕込む味噌の出番がほとんどなかったので、今年の新味噌の本格的な出荷の前に、「合わせ味噌」を、ご希望の方に頒布します。去年の2番手(2回目の夏を越えても味が変わらないように、やや塩分を強くしたもの)の2年味噌と、今年の1番手の味噌を合わせます。両者のよいところ(コクと香り)が生きていると思います。長期間熟成した味噌の褐色素には、ガン抑制の効果があるとか(日本農業新聞10月3日付)。1キロ800円です。

 10月に入ると、「遅れてきた秋雨」やら「台風上陸か」などと、雨マークが並んでいます。畑と心の準備を怠らないよう、努めていきたいです。
 さし絵は、裏から見たコールラビ。2番手が来週から出荷です。皮をむいて炒め物、スープ煮などに。
 上の絵と同時に、仙台の娘から送られてきたのが、左下の絵。こっちを先に描いたそうです。2年前のものが、右下。この2つは、紙版の「たより」には載せていません。並べてみて、面白がるのは、親だけでしょうが。



<料理メモ> 〜Nさんちのコールスロー〜 

 干しぶどう(熱湯に漬けてふやかす)、キャベツ、ニンジン、ピーマンなどきり、塩を振り、1時間ほどおく。野菜の水気を切り、干しぶどうを加え、オリーブオイルをさっと混ぜ合わせて冷蔵庫へ。食べる時にビネガー(酢でもいい)を加えざっくりと混ぜていただく。早くビネガーを入れる と、色が変わりしゃきしゃきのキャベツの風味も半減するので、寸前にくわえることをお薦めします。好みでコショウを。
 東京のNさんから、他にも色々教えていただいた料理は、ブログに掲載しました。「コール」は、コールラビと同じく、キャベツのこと。「スロー」はサラダのことなので、キャベツを使ったら、みんな、コールスローなんですが、キャベツの切り方や、合わせる野菜、ドレッシングなどで、お宅の味を決めてみてください。(10月5日 泰子)

☆宅配便ご利用の皆様へ 

 ゆうちょ銀行の、「ATM利用の口座間送金の手数料が無料」というサービスが、もう1年間延長(平成22年9月30日まで) になりましたので、代金のご入金の際は、引き続きご利用ください。

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2009年9月4週号

■ 晴れたら晴れたで 

  なんて気持ちの良い秋でしょうか。あまりの気持ちよさに気づくと口を閉め忘れて、空をポーと眺めています。農家は毎日外にいます。夏から冬へ。この移行していく日々を肌で感じることができます。なんて素晴らしいことでしょうか。
 もちろん外での作業はつらいこともあります。毎日降り続ける雨や、虫の襲撃、おそろしい暑さや足がびりびり痛くなる寒さ。でも今はそういったことは全部なんでもなかったことのように思えます。そしてただただこの秋の気持ちよさに感謝。この忘れっぽさと、単純さはきっとすごくいいことですね。

 こんなのん気なことを言っていますが、実は畑では少し困ったことがあります。それは乾燥。毎日の秋晴れと乾いた風、涼しくなったといってもまだまだ強い日差し。これで畑はカラカラになっています。今は種まき、定植で大忙しの時期。種まき後は湿り気がないと発芽しません。そのため種をまいた後に、まき跡を踏んで地下の水が上がって来やすくしたり、直射日光による乾燥を防ぐために黒いネットをかけたり、ホースの届く範囲であれば水やりをしたりしています。少しの雨があるだけでこれらの作業からは解放されるのですが、こればっかりは仕方がありません。

 しかし厳しい季節を越してこそ秋の気持ちよさがあるように、苦労をしてこそ大きくなった野菜たちの可愛さがあり、仕事のやりがいもあるってもんです。(9月19日 翼)


■ 秋雨はどこに行った?  

 ここまでの9月の降水量が、なんと9ミリ。例年、秋雨前線が居座って、梅雨よりも雨がよく降るのが、この辺の9月。ですから、湿害を回避するため、夏から秋にかけてのほとんどすべての作付けを、土を盛り上げてウネを高くするという手間をかけて行なってきました。今年は完全に空振りです。

 こんなにお天気が続くなら、紅しょうがを作りたかった、とか、芋がら干しにも成功したのに、と、残念です。それでも、今年豊作だった「タカノツメ」は、摘み取っては干すのを繰り返して、結構な量を確保しました。ご希望の方には差し上げます。
(写真は、ススキではありません。ほんのちょっと作った、陸稲、頭をたれてきました)


☆黒いシシトウについて〜

 比較的新しいお客さまよりお尋ねがありました。
 うちが作っているシシトウ、伏見甘長、万願寺ともに、黒っぽくなる実があります。「これは、アントシアニンなんだ、みんなの好きなポリフェノール、抗酸化物質なんだ、問題ないんだ」というのが夫の口癖(?)です。この「黒」は、強い太陽光から自分を守るために、植物がアントシアニンを体内で作り出した結果なのです。加熱すると、ブロッコリーの紫っぽいのと同様、緑色になります。もっと詳しくは、ブログのここに書いてあります。
 〜多めのオリーブオイルに切れ目を入れたニンニクを2,3かけ入れて鍋を火にかけ、シシトウを丸ごと入れ、塩少々して転がしながら焼く「サブジ」や、細かく切って、かつお節やチリメンジャコと、ごま油・しょう油・酒で、さっと炒りつける「佃煮風」でどうぞ。(9月21日 泰子)

料理メモ<冬瓜の韓国風スープ> 

 炒めてからキムチ味というのが、新鮮かと、ご紹介します。材料は2人分、私は適当にあるもので代用しました。
・熱したなべにゴマ油小さじ2を入れて、牛こま切れ80gを炒める。皮をむいた冬瓜4分の1個と、もやし100gも加え、軽く炒め合わせる。
・水500ccとガラスープ小さじ2を加えて、あくを取りながら冬瓜が透明になるまで煮込む。
・キムチ100gと味噌小さじ2を加えて味を調え、ニラ4分の1束を入れる。
・ニラがしんなりしたら白ゴマをふって完成。  〜生協(パルシステム)のカタログより

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2009年9月2週号

■ 翼の夏、の終わり 

 めっきり秋になりました。草むらでは鈴虫さんが鳴き出し、朝晩はもう大分冷えます。布団にくるまるのが幸せな季節です。
 先日の突然の台風(11号)接近には、驚き、恐怖しました。ハウスの換気窓を塞ぎ、オクラやナスは風の影響を軽減するため葉を落とし、溢れた水の排水路を準備して待ち構えていましたが、結果はほとんど風吹かず、雨も降りすぎるということもなく、なにも被害はありませんでした。拍子抜けな結果ですが、本当に良かったです。

 畑のほうは徐々に野菜の選手交代の時期です。夏野菜は成長スピードを緩め、収穫量が減ってきました。さみしいですが、少しほっとしているのが正直なところです。これからは夏の間土の中で待機していた野菜たちが活躍しだします。今日、里芋と落花生とゴボウを掘りました。ゴボウはもうだいぶ太っていました。里芋と落花生はまだ早めですが、少しずつ掘っていきます。ゴボウや里芋を掘りあげる作業は大変な重労働。夏なんかにやっては倒れてしまいます。涼しくなった今、そして寒くなってくるこれからだからできる作業です。季節と野菜の関係はうまくできているなあと感心。これからもこんな小さな発見を楽しみながら、畑で働いていたいです。(9月3日 翼)

■ ほっとする?秋 

 朝5時半には、愛車ホンダ・カブに乗ってさっそうと登場。まずは、待ちかねていたニャアー(猫)にエサをやり、鶏たちのエサを用意して、晃と一緒に出かけます。それから、遅いときは9時ころまで、収穫し続ける、というのが、翼君の夏でした。今年は、朝晩曇りや雨の日が多く、幸い、お日様と競争して息もつけない、という出荷日は少なかったですが、秋らしくなってきて「ほっとする」のは私も同じです。
 これから、1ヵ月は、作付けで息がつけないくらい頑張らねばなりません。キャベツ類の定植は峠を越しましたが、大根・カブ・葉物たちの種まきや、白菜・レタス類の育苗・定植が毎日のように続きます。そして、蒔くものも、植えるものも、すべてひとウネずつ、虫除けのために防虫ネットなどのトンネルをかけていきます。 

■ イノ・クマ・ちょう 

 昼間ひらひら飛んでいる、アゲハチョウやモンシロチョウは、ネットで防げますが、生まれたての「ヨトウムシ」は、細かいネットの目をくぐりぬけ、すごい食欲で野菜を食べつくそうとします。「野の扉」の畑に隣接する、人手の入らない雑木林や人家の荒れた裏庭などで越夏した、その親の「ヨトウ蛾」は、夕暮れから夜に出現します。とにかく、野菜のウネの周辺をきれいにして、産卵されないようにするくらいしか打つ手がありません。1ヵ所で何千匹も産まれるので、産卵されたら、拡散前に見つけて退治しなければ、虫取りに膨大な時間をとられてしまいます。

 同様に、夜中に荒地から出撃してくるのが、アライグマです。私たちの住む、寄居町の男衾(おぶすま)地区では、春からアライグマの被害が急増しています。町の主催の講習会には、近所の仲間もみな参加して、捕獲檻を自分で仕掛ける資格を取りました。そして先週、購入した檻が届いたので、ためしに畑の隅に設置。アライグマに慣れてもらってから、やおら、好物のバナナなど置いて誘い込もう、というわけです。今はうちの野菜の被害はありませんが、この秋冬の繁殖で来年の被害を拡大させないよう、1匹でも多く捕獲したいです。
 そして、全国の農家を苦しめているイノシシが、とうとう、うちの近くまで迫ってきました。隣町のほんの数キロしか離れていない地区で、サツマイモや米に被害が出ているそうです。イノ・クマ・ガ・・・(9月7日 泰子)

<料理メモ> 

暑さに強い「三尺ささげ」、先月からセットに入っていますが、お客様から、「かためにゆでてから、冷凍しておくと、お正月などに彩りに使えるのよ」と教えていただきました。

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