◆たよりの箱(32)◆

2010年9月から12月の「菜園たより」です

無農薬有機野菜と平飼い有精卵の
菜園「野の扉」

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2002年より続けてきた、現在の菜園「野の扉」のホームページを2011年より移動します。このサイトは、2011年9月頃に消滅します。提供会社の「インフォシーク楽天」との契約を更新しないことにしたためです。
これ以降の「菜園たより」は、新サイト(製作途中)に発表していきます。よろしくお願いいたします。(2010年12月19日)

2010年12月最終週号


 みなさまに、今年も無事に「野の扉」の野菜と卵をお届けすることができましたことを感謝しております。
 この年末号を書くため、ざっと一年の「たより」を読み直してみましたが、年の初めは寒さが厳しく、春は水っぽくて気温が乱高下。4月には雪まで積もりました。夏は「史上最強の猛暑」、秋はその暑さと日照りがもたらした「史上最悪の虫害」で菜園始まって以来の不作。ここにきて、ようやく「平年並み」。ということで、今年も「壊れてしまっている」天候に振りまわされた一年でした。

 でも過ぎてしまえば、何だか、夢を見ていたようなのは、年のせいなのでしょうか・・・

 春には、息子の雪丸の「ノラのパン」が始まり、秋には、1年半共に働いた翼君が栃木で新規就農しました。

 2人の若者が、「向かうべき岸」を持たないまま、新しい海に乗り出しましたが、二人の行く末を案じるわれわれ夫婦もまた、いまだに「向かうべき岸」を求めて、漂っております(「今年は虫のせいでおぼれかけた」と、晃)。  半農半パン屋の息子とともに、ただただ良い野菜をお届けする、ということが指針でありますことをお伝えして、みなさまのご多幸をお祈りしつつ、今年最後のごあいさつとさせていただきます。
(12月17日 泰子〜写真は年末恒例のタクアン用の干し大根、2回目は100本ほど、漬ける頃には年の暮) 

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2010年11月5週号

■ 炒り落花生はいかがですか 

 落花生はこの辺の畑に向いている作物ですので、「豆自体が昔懐かしいコクと甘みに富んでいる」といわれる高級品種の「千葉半立」を、自家採種して作り続けています。殻がしっかりした完熟落花生を、洗ってカラカラに乾かしてから、業者に焙煎してもらって、うちで袋詰めしています。毎年大好評です。今年も、180g入り ○○○円で、ご希望の方に販売します。数に限りがありますので、お早めにお声をおかけください。

■ 乾麺の「くろうどん」もあります 

 こちらもご好評をいただいている、黒澤製麺所さん加工の「玄(くろ)うどん」、うちの「農林61号」を使って、冬バージョンの「極太」タイプができました。黒澤さんでは、無農薬有機の麦しか扱わないそうですし、年代物の製粉機で時間をかけて製粉するので、通常では除かれてしまう玄麦のミネラル分豊富な外側の部分もうどんに含まれます。全国の自前のうどんがほしい、小さな有機農家たちが、頼りにしている製粉所です。政府の補助金とは無縁なので、一般に流通している「国産小麦のうどん」より割高ではありますが、ぜひご賞味ください。               
 1袋=250g入り ○○○円 です。塩は「海の精」使用、エージレス封入です。

■ 年末年始のお知らせです 

 ◎12月27日(月)までは通常どおりです。 ◎ 1月 5日(水)より通常通りとなります。  ★印の項が、通常と異なります。ご注意ください。

<月曜 配達、発送の方>
配達〜最終便は、27日(月)です。
★年始は、3日はお休みで、10日(月)より始まります。

発送〜宅急便の最終は、27日(月)発送、28日(火)到着です。
★年始は、4日到着便はお休みで、10日(月)発送、11日(火)到着です。

<水曜 配達、発送の方>
配達〜★最終便は、28日(火)です。
年始は、5日(水)より始まります

発送〜★ 宅急便の最終は、28日(火)発送、29日(水)到着です。
年始は、5日(水)発送、7日(木)到着です。

<金曜 配達、発送の方>
★ 31日の最終金曜日は、お休みします。
ご希望の方のみ、配達の方には、30日(木)にお届けします。宅急便の方には、29日発送、30日(木)到着の便でお届けします。
年始は、配達の方には、7日(金)、宅急便の方には、8日(土)着でのお届けです。

年末最終便の1回前のセットに、それぞれの方の、「年末年始の配達予定日及び最終セット内容予定品目を書いたチラシ」を入れます。ご覧いただいた上で、配達日の変更、お休みなどについてのご連絡をお願いします。

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2010年11月3週号


■ ほっとする11月 

 気がつくと、あたりの木々の葉っぱの色が変わり、「くぬぎの森広場」のブルーベリーも鮮やかな赤色になっています。月初めの豪雨の後は晴天が続き、課題だった仕事(サツマイモ掘り、落花生掘り取り乾燥、もち米の脱穀もみすり、大豆の一部収穫など)が一つ一つ片付いていきました。作付けは、露地の葉物とハウスに少々だけですし、とりかかったばかりの玉ねぎの定植を終えれば、用意している畑に麦を蒔いて、あわただしい12月を迎え撃つのみ、です。

 この秋は、暑さと虫害のため、野菜セットの内容を充実させることが難しかったですが、皆さまの暖かいご声援もいただき、減量やお休みもなく何とか乗り切れたようです。まだ、白菜の「虫見」は継続していますが、野菜たちも、ほうれん草以外は追いついてきました。

 ただ、卵のお客様には申し訳ありませんが、すでに通常より減らしてのお届けとなっております。電灯のつかない里山での養鶏ですので、日が短くなると産卵が低下するという、毎年のご迷惑を今年もおかけしています。春になれば、回復すると思いますので、よろしくお願いいたします。

■ タイからの視察 


 11月10日、 「特定非営利活動法人 All Life Line Net」(略称『ALL Net』)というNGOの、「チェンマイ近郊少数民族の生活向上プロジェクト」に関わる、チェンマイ大学高地農業研究・研修センターのW先生とT先生、そしてスタッフの日本人女性・HMさんの3人が、訪れてくれました。3人が携わっているのは、コーヒーの中の高級品種である「アラビカ種」の栽培に適した山岳丘陵地帯の気候を生かし、コーヒーの林間栽培から加工、流通までできる体制を整えることで、村の経済的な自立と持続的な発展を目指そうという活動です。お二人の先生の、「有機農業の現場が見たい」という希望から、平井さんのお母さんと旧知の仲、という縁で、うちへの視察が行なわれることになりましたが、HMさんの素晴らしい通訳のおかげで、こちらの方が色々と意義深いお話を伺うことができました。
 
 「30年前は、タイの国土の80%が緑の山林だったのに、今は2割を切っている。その消失の犯人は、斧しか持てない貧しい少数民族ではなく、企業」なのに、国土の荒廃にあわてたタイ政府は、残された森林の保全のため多くの土地を政府の管轄下に置きました。企業と政府によって2度森を奪われて囲い込まれた山の人々が、どうやって失われた村の暮らしを取り戻すことができるのか。政府の勧める近代農法では化学肥料や農薬の購入でかえって貧しさが助長されているので、先生たちは、有機農業への転換を模索しているのです。 

 高度経済成長期に、「安い輸入木材」によって多くのもの(足元では、林業の衰退と花粉症も)を得た日本の私たちと、タイの彼らの現実は、深く関わっているのです。
 お土産にいただいたコーヒー豆を挽いて入れたコーヒーは、深く複雑な味わいでした。
(11月15日 泰子〜さし絵の題名は、「人参のワルツ」とのことですが、ラインダンスに近いかも。)

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2010年11月1週号


■ 天高く馬肥ゆる秋 

 そんな秋を想像するだけで、心も体もいやされる。このところ毎日1回は、この言葉を自分に処方している。確かにここ数年、絵に描いたような秋はやって来なかった。いわゆる、地球規模の気象異変の一つで、今はもう、失われた過去の話なのかもしれない。
  野菜も、十把一からげにされがちだが、人間と同様、1つぶの種から1個体が自己を主張しながら育っていく。3日の晴れ間があれば、野菜たちは、ふくふくと育つのに、この“秋”、畑に並んだ野菜たちは、別の秋を知ることもない。

 地球から隈なく集められた宝物(安物ばかりだけど)にも満たされることもなく、もっともっとと欲張りな私でありますが、目下の願いは、何でもない、ただの晴れ間が、2,3日現実化することです。
 どこかで読んだことのある、寓話のようでもありますが、願いの主は、王様ではなく、百姓です。

■ TPP が降ってくる? 

(注) TPP=環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定 〜参加国の間で、農林水産物を含め、原則としてすべての品目について関税を撤廃する、という貿易協定。参加すれば、米・麦なども自由化されて、農水省の試算では、自給率が14%にまで下降する。日本が参加するか否か、11月前半の大きな政治的な課題となっている。


 百姓とて、国内情勢、国際情勢と無縁ではない。私としては、2番目の天気予報のようにしてながめている。 「食糧自給率の向上をめざす」といわれれば、天気は少うし上向きかな、という風に。
 野菜農家ということで、補助金とか助成金とかに無関係であっても、晴れ間なしの農業政策ゆえに、めぐり合えたこの土地であり業であると、認識している。古今東西、かれこれ2千年「曇り時々所により雷雨」だったことも知っている。
 しかし、曇天にもかかわらず、田畑に向かう人々は、腰が曲がっていく一方だ。農村、と一口に言っても、すそ野は広い。果てしない無賃の営為の上に、道も水路も確保され、始めて村が成り立っている。一枚一枚の田畑は点々として広大な面の上にあることができる。

 損なわれるのは、景観だけでなく、命脈そのものだ。(晃)


  台風前までの過労で体調を崩して、ちょっと休養気味だったがゆえに、夫が長文を書きました。12月並の寒さや台風にもかかわらず、「虫」の方はほとんど体調を崩さず元気なので、相変わらず、虫取りをしている私です。今週は、念願の3日の晴れ間が現実化しそうなので、残っている落花生やさつま芋の掘り上げ、陸稲の脱穀などしたいのですが、今朝の畑は昨夜の大雨のせいで泥沼でした。
 さし絵は、芽の出たじゃが芋を送ったところ、娘が幻想したものです。(11月1日 泰子) 

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2010年10月2週号

■ 運動会日和 


 翼君が、当菜園を後にして、早や10日。虚脱を脱するには、畑が一番・・・・・ と、翼がもげても何がもげても、菜園開業以来の不作に、立ち向かっています。

 実りの秋に、追いつきたい。

 幸い、気温は高めに推移しています。野菜と手に手を取って、虫たちの追撃を、振り切りたい。(晃)


■ 言い訳ばかりで・・・ 

 毎回申し訳ないのですが、作付ける野菜が、ことごとく虫に侵入食害されているので、特に葉物の出荷に苦労しています。今までなら出荷不可にしていたレベルまで虫に食われたものも、使わざるを得ない状況ですので、ご了承いただくようお願いいたします。大根、カブは、当分葉っぱを落としての出荷になります。
 品数をそろえるため、貯蔵もののカボチャや冬瓜、イモ類に頼っておりますが、それも、よろしくお願いいたします。
 さし絵になった、さつま芋については、新しい畑に合っていたのか、例年より美味しく出来上がってきているようです。
 里芋は、日照りの影響で肥大せず、開業以来はじめて、ゴミ袋をぶら下げて葉っぱについたヨトウムシの「虫とり」「卵塊とり」を行なったのにも関わらず、土の中の芋まで食われております。頭をかじられた芋が混ざることがありますが、ご了承ください。
 やっと取れだした人参もまた、猛暑と日照りで、小さめ不恰好です。
 頼みの秋取りの長ネギは、酷暑のためか太らず、玉ねぎは収穫期にとう立ちと病気でずい分廃棄した上に、保存状態が悪く、出荷するものも皮をむかなければならないものが多いです。でも、11月に植える玉ねぎの苗は、順調に育っておりますので、来年こそ、玉ねぎ(むき)出荷担当の雪丸に、楽をさせてやれるような、良い玉ねぎがとれることを祈っています。

(10月11日 泰子 〜さし絵は、たよりを発行する月曜日の午前中に、日曜日に宅配便で着いた芋を相手に、娘が仙台で取り組んでくれたのですが、筆圧が高すぎたとかで、「だみだーー、スス、スキャンすらできない」とのことで、写真に撮って送ってくれたものです。タッチが出てないのは、そのせいです。)

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2010年9月5週号

■ 「ノラのパン」 成長中 

 3月に産声を上げた、息子の雪丸の「ノラのパン」は、気温の乱高下する半年を経て、ずい分と安定して、自家製天然酵母と国産小麦のパンを焼くことができるようになって来ました。このところは、ご注文いただいている方にのみ、「ノラのパン通信」を配布しておりましたが、パンを美味しく感じる季節になったこともあり、10月号は、全てのみなさまに配布させていただきたいと思います。
ご紹介する11月のパンの中には、試作を重ねた「トマトとくるみのパン」(うちのトマトで作ったドライトマト入り)と、ブリオッシュ生地の丸パン、という2つの新作も含まる予定です。定番の「ノラの食パン」も、酸味を抑えて、しっとり柔らかく焼きあがるようになっています。ぜひ、お試しください。
写真は、今月の新作、好評だった「ノラ・スコーン」です。( 簡単なホームページがあります。材料の説明やこれまでの通信などが読めます。→http://nonotobira.typepad.jp/pan/ )

■ 百姓 見習い中 

 激しい夏から急に秋になり、生活様式の変化が間に合わず、2,3日タオルケットだけで寝てしまい、鼻水をかみながら仕事しています(カゼではありません)。
 急激な温度変化で期待していましたが、害虫の勢いは止まりません。畑中に広がった夜盗虫(ヨトウ蛾の幼虫)が、野菜と農家をむしばんでいます。近所の農家さんたちも本当に辛そうです。みんな、生活がかかっていて、今まで積み上げてきた農家としてのプライドもあるのでしょうか、「まけない!!」と、体にムチ打つように働いています。百姓魂を見せ付けられ、頭が下がります。
 今年は、各地で暑さと害虫のせいで、スーパーの野菜も高いです。でも、それは当たり前だと思います。一つ一つの野菜に込められた農家の苦労は、決して安いものではないのです。(雪丸)


 二宮尊徳さんによれば、「上農は 草を見ずして 草を取り、中農は 草を見て 草を取り、下農は 草を見て 草を取らず」ということですが、「野の扉」においては、修行中の雪丸はじめ、「夜中に目を覚ましたら、枕と布団が穴だらけだったので、おかしいな、一回見たはずなのに、と、ヨトウムシ捕殺を始めた」という夢を見た翼君、「虫見歴」15年以上を誇るわれわれ夫婦で、「虫を見ずして虫を取る」ような、高度に洗練された(??)虫対策をとっておりますが、これまでのところ、ヨトウムシに負け続けています。猛暑のためお年寄りが作業できず、虫の繁殖地となる耕作放棄の畑や荒れた敷地が増えたことも、この虫の隆盛の遠因なのではないかとも思います。
 とにかく粘り強く闘い、彼らの弱体化する季節に向けて、作付けも進めていきます。この影響は長く来春まで続くでしょうし、しばらくは、良いセットが組めないかも知れませんが、よろしくお願いいたします。 (9月27日 泰子 〜照手のさし絵は、明るく、「花」という題名です。)

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2010年9月3週号

■ 旅立ち 

 「お盆も過ぎて、夏も終わります。」と、たよりに書いてから4週間。その言葉は完全に裏切られました。なんと凄まじい日々だったでしょうか。この記録的猛暑の夏。なんとか乗り切ることができました。朝夕の秋風と短くなっていく陽を、こんなに大きな喜びを持って迎えるのは初めてです。

 そんななか、4月から開始した就農地探しも一段落しました。予想をはるかに越える困難の連続でしたが、なんとかいい場所と出会うことができました。場所は、栃木県那須烏山市。この市の南隅にある、小さな山と大きな川のある、静かで美しい場所です。何度も通ううちに知り合いが増え、家と畑を貸していただけることになりました。
 野の扉では9月いっぱいまで働かせていただき、10月から引越と就農準備にかかろうと思っています。
これからはやるべきことが山積み。焦りや不安もありますが、新たな旅路の始まりですから、明るい気持ちで踏み出していきたいと思っています。

 応援してくださった方々、ほんとうにありがとうございました。ここで支えていただいたたくさんの方々への感謝の気持ちを忘れず、栃木でも精一杯頑張ってきます。(翼)

■ 負けないで 

 翼君、1年半、ありがとう。お疲れさまでした。この厳しい夏を生き延びられたのは、2年目の翼君がいたからこそ、です。きっと、良い未来を切り拓いていけると思いますよ。

 さて、先週月曜日に、急きょ「号外」を出さなくてはならなくなったほど、この秋は苦しいスタートです。台風がらみで、ちょっと雨をもらいましたが、また35度を越える日が続き、畑は乾いてしまいました。でも、毎日のように、あれこれ作付けています。
 苗の定植では、キャベツ類はピークを過ぎ、白菜はこれから本番。大根は、早出し用のものが、3回続けて虫害で満足に取れませんでしたが、これから、年明けの分までどんどん蒔きます。葉物も、追っかけ追っかけ蒔いています。

 虫の勢いは、衰えません。雨が降らないので、夜中産卵して回っている蛾の類が、どんどん増殖しています。それで、今年は、ほうれん草にまで、防虫網をかけました。
色々なイモムシが夏野菜や里芋、大豆などをモリモリかじり、生まれたばかりの微細な幼虫は網の目をくぐって、植えたばかりのキャベツや白菜、大根、菜っ葉などに取り付いてしまうのです。虫取りも加速していますが、雪丸が「心が(虫に)負けてる」とつぶやくほどで、追いつきません。例年だと百姓には忌み嫌われる、「秋の長雨」が、恋しくなります。

照手のさし絵は、「増殖する明日〜ニガウリの不思議〜」だそうです。照手が小さいときから苦手だったニガウリを、野菜の荷物に同封したら、こんな絵が返ってきました。(9月13日 泰子)

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号外  9月6日 


 みなさま、いつもありがとうございます。先週発行の「菜園たより」9月1週号には、はっきりと書くことができませんでしたが、現在、畑と野菜の状況は、大変厳しいです。先月の18日以降、まったく雨が降っておりませんし、35〜38度の猛暑も続いており、この先も同様な天気が続くようです。

 夏野菜たちは、水枯れと虫の猛攻撃で、収量が激減し、なかでも、夏の葉物は、虫のこれ以上の繁殖を避けるために、次々と片付けていっています。

 厳しい天候の中でも、秋冬野菜を作付けておりますが、発芽不良や、生育の遅れで、夏野菜からバトンを受け取れるものがほとんどいません。

 例年でも、9月から10月にかけては、夏から秋の野菜の端境期となりますが、今年は前代未聞の厳しさになると予想されます。セットの内容がさびしくなることや、あるいは、値引きしてのお届けになることもあると思いますが、どうぞ、ご理解いただくよう、お願いいたします。(泰子)

 例年よりも幾重にも厚い防護網を用意したはずなのに、あっさりと乗り越えられていく。“堤防のかさ上げ”を続ける日々ですが、非力を思い知る毎日です。(晃)

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2010年9月1週号


■ 逃走虫 

 今年の夏は、昼夜の寒暖の差が少ないので、害虫の繁殖・移動がとても活発です。次から次へと、食べ物を求めて広がっていって、まさに、恐怖です。
目についたら、片っ端から、徒手挙足を用いて、息の根を止めていきます。

 そんな中で、自分が最近気がついたことは、虫達の、生き残るための「知的な行動」です。
 人と目が合うと、いち早く殺気を感じてかくれるもの=カメムシ(色々な種類がいます)、葉を丸めて外敵から身を守るもの=葉巻虫(最近、ワタノメイガという蛾の幼虫だと判明)、人がいない夜に、一気に勢力を拡大するもの=夜盗虫(おなじみ、ヨトウガの幼虫)。

 無農薬で野菜を育てる大変さと、農薬を使う人の、両方の気持ちがわかった夏でした。
(雪丸 〜カッコ内は泰子が補足)
 

■ 草葉の陰から 

 例えば背丈を超えたオクラは、百姓達のかっ好の隠れ家です。難を逃れ、ここですする冷たい麦茶は、ただちにあふれ出る汗となります。命回復のひと時です。

 しかし頭上に幾重にも展開するオクラの葉っぱどの一枚をとっても、多種多様な昆虫たちがいて、無言のまま、刻一刻と命の厚みは増し、人類の上に崩れ落ちようとしています。
 狭まりゆく人間界に、無常を感じつつ、オクラのかげから、はい出していきます。

 そういえば、つくつく法師も、無力でありました。
 夏休みを終わらせることができても、夏は・・・・・・
(晃)

■ 史上最強の8月 

 30日現在、熊谷の8月の一日の平均気温は、29.2度。日平均気温が29度を超えるのは、観測史上初のようです。生まれてから、一番暑い夏を、みんな経験していることになります。お疲れさまです。

 右の写真は、今年はたくさんとれた、マー坊ナス、という名前の長ナスです。天を飛翔する、龍に見立ててみました。地上を冷ます、雨雲をつれてきてくれますように、お願いしてみます。
(8月30日 泰子)

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